⾼齢運転者を対象とした後付け型ADASの多様な効果に関する研究
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966-2.普及⽅策を考える際に考慮すべき事項 ここからは、実証実験や意識調査で得られたデータを⽤いて、普及⽅策を考える際に考慮すべき事項について分析を深める。分析は、(1)後付けADASによる効果が期待される⼈、および(2)後付けADASを受容することが期待される⼈、の2つの視点から⾏う。 (1)後付けADASによる効果が期待される⼈の分析 1)後付けADAS利⽤者の意識と効果の関係 これまでの分析で、後付けADASに対する意識によって急減速回数を減らす効果に差があることを確認している(図3-19)。ただし12⼈の急減速回数の変化を分析した結果であり、幅広い層で同様の傾向があるのかを確認する。そこで後付けADAS利⽤者への意識調査結果を⽤いて分析する。ここでは「後付けADASが有⽤であると思うか」の質問に対する回答別に効果を分析する。 特にサンプルが多い「前⽅衝突・追突警報」に着⽬すると、「事故を回避した経験」では「有⽤と思わない(まったく・あまり)」の⽅が効果を認識している。⼀⽅、「負担軽減」や「役に⽴った経験」では「有⽤と思う(やや・とても)」の⽅が効果を認識している。 ⽪⾁にも、後付けADASを有⽤と思わない⼈の⽅が事故を回避した経験が多いという結果となった。 a)前⽅衝突・追突警報 b)低速時衝突・前⽅接近警報 c)⾞間距離警報 d)⾞線逸脱・はみ出し警報 図6-1 「後付けADASを有⽤とか思うか」の回答別の効果を感じる⼈の割合 0%20%40%60%80%交通事故を回避した経験がある交通事故の被害を軽減した経験がある運転の負担を軽減した経験がある運転の役に立った経験があるいずれの経験もないまったく有用と思わない(11)あまり有用と思わない(29)どちらでもない(95)やや有用と思う(58)とても有用と思う(20)0%20%40%60%80%交通事故を回避した経験がある交通事故の被害を軽減した経験がある運転の負担を軽減した経験がある運転の役に立った経験があるいずれの経験もないまったく有用と思わない(5)あまり有用と思わない(14)どちらでもない(36)やや有用と思う(25)とても有用と思う(10)0%20%40%60%80%交通事故を回避した経験がある交通事故の被害を軽減した経験がある運転の負担を軽減した経験がある運転の役に立った経験があるいずれの経験もないまったく有用と思わない(6)あまり有用と思わない(16)どちらでもない(33)やや有用と思う(19)とても有用と思う(10)0%20%40%60%80%交通事故を回避した経験がある交通事故の被害を軽減した経験がある運転の負担を軽減した経験がある運転の役に立った経験があるいずれの経験もないまったく有用と思わない(7)あまり有用と思わない(11)どちらでもない(38)やや有用と思う(27)とても有用と思う(9)

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