⾼齢運転者を対象とした後付け型ADASの多様な効果に関する研究
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946.⾼齢運転者に対する後付けADASの普及⽅策の検討 6-1.これまでの検討で得られた知⾒の整理 (1)実証実験で得た知⾒ 1)運転⾏動の分析から確認した効果 • ⾼齢運転者12名の⾛⾏実態データを⽤いた分析から、後付けADASの警報により⾼齢運転者でも運転⾏動が変化(急減速回数が減少)する効果が認められた • ただし、後付けADASに対する意識(警報を無視する・警報が鳴らないように配慮する)や、沿道状況、⾛⾏速度でも効果が異なる • 利⽤機種では明確な効果の差は認められない 2)実証実験モニターへの意識調査で確認した効果・問題点 • 意識の⾯でも、後付けADASが役に⽴ったと回答する⼈が7割程度であり、警報別の意⾒でも各警報が役に⽴つと回答する割合が3〜5割存在する • 問題点として、反応が過敏であることの指摘が多い • ⾼齢運転者には、⾃分で後付けADASを設置することや、スマートフォンの操作が必要な製品は好ましくない (2)体験会・講習会で得た知⾒ • 警報の問題や価格に対する指摘もあるが、後付けADASの意義を理解し、肯定的な意⾒を持つ⼈が少なくない。参加者全員ではないにしても、後付けADASの意義を認識いただき、購⼊や設置の意向を持っていただくことができた (3)意識調査で得た知⾒ 1)後付けADAS利⽤者への意識調査から得た知⾒ • 後付けADASにより交通事故を回避した経験や事故の被害を軽減した経験を持つ⼈は、警報や経験の種類によって異なるが1〜4割の⼈が経験している • 後付けADASがどの程度役⽴つかを質問した結果、役に⽴った(やや・とても)と回答する割合は最も⼩さいものでも63%あり、60歳以上に絞って⾒ても同様である • 後付けADAS利⽤後の意識の変化は、搭載前よりも注意するようになった⼈が3割程度である。60歳以上に限定しても同様である • 後付けADASの購⼊価格(または⽀払い意思額)は、最も多いのは「5万円まで」であり次に「10万円まで」が多い。年収別の違いは認められない

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