15 5.移動時間による地点別の利便性評価と不便の要因の解明 5-1.移動パターン別の移動時間の比較と利便性レベルの設定 図 5-2は、3つの移動パターンにおける平均移動時間を表している。公共交通パターンの移動時間は、公共交通利用不可能地域は除いて計算したものである。そのため、全地域における移動時間を見ると、公共交通パターンが送迎パターンより移動時間が短いことが見られる。公共交通移動可能地域のみを対象とすると、自家用車パターンが13.8分、送迎パターンが22.0分、公共交通パターンが45.6分であり、公共交通パターンの移動時間が自家用車パターンより3倍近く長いことがわかる。 図 5-1 3つの移動パターンにおける平均移動時間 本研究では、自家用車利用者に比べて公共交通利用者が相対的にどの程度不便になるかに着目するため、自家用車パターンの移動時間を基準として利便性のレベルを区分する。自家用車パターンの移動時間の平均(35.7分)と標準偏差(39.3分)に基づき、レベル1(平均-0.5標準偏差未満)、レベル2(平均-0.5標準偏差以上~平均未満)、レベル3(平均以上~平均+0.5標準偏差未満)、レベル4(平均+0.5標準偏差以上)の4つのレベルに区分した。図 5-2を見ると、自家用車パターンと送迎パターンの場合、グラフのピーク点がレベル1に位置しているロングテール型である一方、公共交通パターンは、ピークがレベル3に立地していることが読み取れる。 35.7 13.8 47.3 22.0 45.6 45.6 05101520253035404550全地域公共交通利用可能地域自家用車送迎公共交通移動時間(分)
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