13 図 4-2は、3つの移動パターンによる実際の移動経路の例である。自宅(起終点)から出発し、3つの施設を巡回して帰るルートである。自家用車パターンの場合、施設が集約されていなくても、分散している施設をそれぞれ訪問し、移動時間が最小になるような経路を選ぶ一方、送迎パターンと公共交通パターンは施設が集約している遠くまで移動することが見られる。また、公共交通パターンは送迎パターンが選択する施設へ移動可能な公共交通路線がないため、より遠くまで移動することになる。 図 4-2 3つの移動パターンの例 4-2.公共交通移動における設定 公共交通の場合、乗り換えして目的地まで行くことも考えられる。図 4-3は、自宅から10分以内にステーションがあるメッシュにおいて、乗り換えを許容した場合としない場合における移動不可能地域の面積と人口の割合を表している。 約34%の地域では、乗り換えがないと公共交通で施設が集約している拠点に到達することができないことがわかる。さらに、乗り換えをしないと現在の居住地の50%を上回る地域で公共交通による拠点への到達ができないことがわかる。しかし、このような地域に住んでいる住民の割合は13.2%であり、その住民のための配慮が必要である。図 4-4は、公共好通う利用不可能地域の分布を表している。 本研究では日常的な生活における施設の利用であり、ダイヤに合わせて乗り換えすることは現実的に難しいと考え、乗り換えをしないときの移動時間を利用することとする。
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