11 4.住民の移動パターンの設定 4-1.利用可能な交通手段による3つの移動パターン 交通手段によるアクセシビリティの違いを把握するため、本研究では3つの移動パターンを想定して移動時間を算出する。また、その移動時間の差を分析することで、不便である地域を明確にするだけではなく、不便になる原因が「施設の配置の問題であるのか」または、「公共交通の連結の問題であるのか」を明らかにする。本研究で想定している移動パターンは図 4-1の3つであり、各移動パターンにおける仮定は以下の通りである。移動手段別の移動速度は、鉄道60km/h、自家用車・バス30km/h、徒歩4km/hと設定した。 ① 自家用車パターン:「自家用車」による移動距離の制約ない移動パターン ・ 居住地→施設1→施設2→施設3→居住地 ・ 施設間の移動における制約がなく、移動時間の総和が最小となるように移動する。 ・ 全ての移動は自家用車で移動する。 ② 送迎パターン:「自家用車+徒歩」による移動パターン ・ 居住地→施設1→施設2→施設3→居住地 ・ 居住地から施設までは自家用車で移動する。 ・ 施設間の移動は10分以内とし、徒歩で移動する。 ③ 公共交通パターン:「公共交通+徒歩」による移動パターン: ・ 居住地からバス停・駅までは徒歩で移動する。 ・ 居住地→バス停・駅(居住地ステーション)→施設近くのバス停・駅(施設ステーション)→施設1→施設2→施設3→施設ステーション→居住地ステーション→居住地 ・ 行きと帰りに利用するステーションは同じである。 ・ 居住地ステーション:必ずしも最寄りではなく、居住地から徒歩10分以内にあるバス停・駅の中で、巡回する移動時間が最小となるバス停・駅を選択する。 ・ 施設ステーション:施設ステーションを出発して3つの施設を巡回してステーションに戻るルートにおいて、ステーションと施設の間、施設間の移動は徒歩10分以内とする。 ・ 徒歩10分以内にステーションが存在しない場合、公共交通利用不可能地域と定義する。 ・ 公共交通に乗らず3つの施設の巡回が可能であれば、徒歩で移動する。
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