都市機能集約と人口変動を考慮したアクセシビリティの観点からの都市構造評価
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9 3-2.平均最寄り距離と巡回距離の比較 巡回距離とそれぞれの施設への最短距離を用いる場合,どのように評価が異なるかを見るため,図-2は,豊田市における巡回距離(R=5km)と平均最寄り距離を比較したものである。平均最寄り距離が同じであるものの,巡回距離は大きく異なる場合もあることが読み取れる。その差を確認するため,二つの指標間のギャップ()を計算し,図-4に表している.その値が大きいほど,平均最寄り距離に比べて,複数の施設を利用するために増加する距離が長いことを意味する。施設が分散しているほどその値が大きい。 その分布を見ると,都心から離れた山間部のみならず,都心の周辺部でもギャップが大きい場所が存在することが分かる。すなわち、周辺に施設はあるものの,分散しているため,3つの施設を同時に利用するためには,長い距離の移動が伴われると解釈できる。このような地域は平均最寄り距離であれば相対的に利便性が高い地域として評価されるが,実際に複数の施設を利用する際には不便を感じる可能性がある。特に車で移動できない交通弱者はより不便を感じる可能性が高い地域であると解釈できる。 図 3-2 平均最寄り距離と巡回距離の比較

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