都市機能集約と人口変動を考慮したアクセシビリティの観点からの都市構造評価
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4 1-3.既存研究のレビュー アクセシビリティと都市構造の評価に関する研究の例としては、交通手段の結合(Kager et al., 2006)や時間軸(Widener et al., 2017)を考慮したアクセシビリティの評価した研究、人口密度と交通インフラ状況などに基づいた自治体の都市構造の評価研究(丸岡ら、2018)があるが、特定種類の施設と単一時点に限られた研究がほとんどである。最適化手法に基づいた施設配置計画に関する研究の中では、異なる施設の統合(鈴木、2012)や人口の周期的な変動(鈴木、2014)を考慮した研究が見られるが、アクセシビリティと都市構造の評価に関する研究の中では、都市機能施設の地理的な集約の観点を取り入れた例は見られない。 先行研究では、特定の一つの都市機能を対象としているものが多い。複数の目的を持つ移動における住民の利便性や拠点での住民の回遊性と関係する図 1-4の地域Bのような都市機能の地理的な集約の利便性の向上への寄与度が評価できる指標を提案することが本研究の大きな特色である。また、不便な地域を具体的に抽出し、不便になる原因を施設の配置と公共交通網の観点から明確にすることにより、具体的な政策提言が可能となる。 図 1-4 施設の集約を考慮したアクセシビリティの評価

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