立地適正化を見据えた豊田市の人口動態に関する基礎的調査研究
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51(2)検証結果を踏まえた考えられる政策の⽅向性 検証結果を踏まえて考えられる「ゆるやかな居住誘導」進める政策の⽅向性として、次の2点を提案する。 1)居住誘導区域における鉄道利便性の確保 居住誘導において⾃動⾞を保有せず公共交通利⽤を前提とした暮らしを選択することは、評価をさらに⾼めることになることが確認できた。居住誘導は鉄道駅を中⼼として設定されており、⾃動⾞を保有しない⽣活を送ることができる可能性がある。居住誘導区域における鉄道利便性(ここでは駅へのアクセス性や駅周辺の利便性)を確保し、⾃動⾞保有を前提としない居住者の需要を取り込むことが考えられる。 鉄道利便性を確保する⽅策としては、例えば、アクセス性の観点からは、駅アクセス道路の歩⾏空間の確保、駐輪場の確保、Ha:moなどの端末交通シェアリングサービスの導⼊などが考えられる。駅周辺の利便性の観点からは、⼩売や飲⾷店、医療施設、カーシェアリングサービスのステーションの誘致などが考えられる。 2)都⼼居住を増やすための促進費 持ち家⼾建住宅が⽴地した場合の⾏政費⽤の収⽀は、都⼼と居住誘導区域やその他市街化区域を⽐較すると年間約5万円の差がある。都⼼居住を促進するために、この差額分の⼀部を都⼼居住者の居住促進費⽤に割り当てることも考えられる。 ⾦銭的な⽀援により住替え誘導をしている事例はほとんどないことを⽰したが、富⼭市や岐⾩市では⾏われている。購⼊(分譲)の場合、1⼾あたり50万円の補助が出る。仮に20年居住する場合、1年あたりの⾦額は2.5万円である。また、賃貸の場合では、富⼭市では1年あたり1万円を3年間である。岐⾩市では24万円を1年間であり、仮に10年居住する場合、1年あたりの⾦額は2.4万円である。 こうしてみると、上に⽰した差額分の年間5万円は、促進費としては他都市の事例から⾒ても⾼く、その⼀部を促進費に充てることは現実的な選択肢であると⾔える。その際には、富⼭市や岐⾩市の購⼊(分譲)に対するインセンティブのように、⻑期居住を⾒越してまとまった⾦額を先⾏的に⽀払うことも有効だろう。 表3-7 都⼼居住を増やすためのインセンティブの例42を基に整理) 購⼊(分譲) 賃貸 富⼭市 50万円/⼾1万円/年、3年間 岐⾩市 上限50万円/⼾上限24万円/年 42) 富⼠通総研(FRI)経済研究所: 研究レポートNo.444 縮⼩まちづくりの戦略-コンパクトシティ・プラス・ネットワークの先進事例-, 2017.

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