立地適正化を見据えた豊田市の人口動態に関する基礎的調査研究
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503-6.考察 (1)検証結果の考察 ここでは、家計の⽀出が⼩さいことと、⾏政の収⽀が⼤きいことを、「評価が⾼い」と記述する。 今回使⽤した指標での検証した結果、世帯と⾏政のそれぞれにおいて、市街化調整区域における評価が⾼くなる場合があった。しかし、先述の通り市街化調整区域の評価の⾼さは線引き制度が存在するがゆえにもたらされるものである。市街化調整区域における開発に関する制度を適切に運⽤し、無秩序な開発を適切に制御する必要がある。 市街化区域に着⽬すると、世帯では、住居の分類により最も評価の⾼い地域分類は異なるが、居住誘導や都⼼の評価が⾼い結果となった。都⼼では、交通費⽤の差(公共交通利⽤を前提とすること)によって評価が⾼くなっている。都⼼に居住する上で⾃動⾞を保有することは評価を⼤きく下げる要因となることを⽰唆している。同様に、居住誘導において⾃動⾞を保有せず公共交通利⽤を前提とした暮らしを選択することは、評価をさらに⾼めることになる。 選択するライフスタイルによっては、相対的に地価が⾼い都⼼に居住することの費⽤は他の地域よりも安価になることが⽰された。⽇本銀⾏名古屋⽀店の調査結果33)に⾒られるように、⾞利⽤を前提とした暮らしや、居住地選択の際の意識の変化が⽣じていることから、都⼼居住が選択される可能性は今後⾼まる可能性がある。 ⾏政では、都⼼の評価が⾼いか、地域分類別で評価の差がない結果となった。これは、今回考慮した指標が⼗分ではないためである可能性に留意が必要である。今回の結果を踏まえて考察すると、インフラ維持管理コストの増加が少ない都⼼に持ち家⼾建住宅を増やすことが、⾏政にとってメリットが⼤きいことがわかる。 また、賃貸共同住宅では⾏政費⽤の収⽀が負となった。先述したように、今回の検証では居住者増による様々な経済波及効果(例えば、居住者が買物することによる周辺商業施設の売上増など)は考慮していない点は留意が必要である。
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