立地適正化を見据えた豊田市の人口動態に関する基礎的調査研究
37/61

34 図3-1 ⼈⼝減少の悪循環のイメージ図30) (3)地球環境や交通安全への影響 例えばP. Newman・J. Kenworthyや⾕⼝ら31)による、都市構造あるいは⼈⼝密度と⾃動⾞利⽤の関係を分析した研究により、⼈⼝密度が低い都市ほど⾃動⾞燃料消費量が多いことが⽰されている。 また、森本ら32)は、都市特性と交通安全の関係を調査した結果、集約型都市では重傷事故の削減に効果があることを指摘している。 (4)東海地域における居住地選択の現状 ⽇本銀⾏名古屋⽀店は、東海地域における「街と⾞の関係」の変化について調査を⾏い、次のような結果を公表した33)。「「⾞利⽤を前提とした暮らし」には、変化の兆しもみられます。特に⽬⽴つのは、名古屋市中⼼部や3県中核都市のターミナル駅近隣におけるマンション開発の増加です。都市部のマンション(中略)⼊居者は鉄道等の利便性の⾼さから、⾃家⽤⾞を⼿放すケースが少なくない」「また、最近では免許を持たない若年層も増えてきており、こうした層は、将来の住宅取得に際して、⾃家⽤⾞の保有が必要となる郊外の⼾建よりも、都市部のマンションを好む傾向を強めていく可能性があります。」 このように、⾞利⽤を前提とした暮らしや、居住地選択の際の意識の変化が⽣じていることがわかる。 31) 例えば⾕⼝・松中・平野: 都市構造からみた⾃動⾞CO2排出量の時系列分析,(社)⽇本都市計画学会 都市計画論⽂集, No. 43-3, 2008. 32) 森本・浅⾹: 低炭素都市と交通安全, 国際交通安全学会誌, Vol.38, No.2, 2013. 33) ⽇本銀⾏名古屋⽀店: 東海地域における「街と⾞の関係」の変化について, 2017.

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る