豊田市におけるタクシーを活用した外出支援策に関する研究
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76 4.おわりに 第3部では、主に郊外部や中⼭間地における移動⼿段を確保するための、自動運転タクシーの可能性について検討を⾏った。 現在、国や自治体、企業等が国内で進めている自動運転の実証実験は、自動運転技術を活用した移動サービスを想定したものが多い。今後も実証実験をさらに進め、自動運転移動サービスの早期導入が実現することが期待できる。 一⽅、タクシー事業者へのヒアリング結果からは、自動運転に対する期待は大きいことが明らかとなったが、今後の制度変更の⾒通しや自動運転を活用したタクシー事業の可能性等が不透明な状況にあり、身動きが取りづらい状況にあることが確認できた。自動運転の実証実験を通じてこうした状況を打破していくことが求められる。 自動運転タクシーの事業の想定からは、現在の技術水準での費用を前提として考えると、自動運転技術導入によって事業を成⽴させることは難しいと考えられる。技術開発投資のコストを投入することなく、移動サービス事業単体で収支をバランスさせるためには、技術開発の進展、導入事例の数を増やすこと等による量産効果など、様々な⼯夫を⾏うことが重要だろう。 そのためにも、実証実験を⾏うことで課題や効果の検証を推進するのに加えて、特区を対象として現⾏法の規制を一時的に停止できる「サンドボックス」制度を活用するなどし、小さなチャレンジを積み重ねることで自動運転タクシーの事業像を具体化していくことが重要だろう。

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