豊田市におけるタクシーを活用した外出支援策に関する研究
71/82

68 3.自動運転タクシー事業の想定 3-1.自動運転タクシー導入にあたり投資可能な費用の試算 自動運転タクシーの導入にあたり投資可能な費用を、下の考え⽅で試算する。 表3-3-1のように、自動⾞運送事業経営指標((一社)日本自動⾞会議所)の費用項目別⾛⾏キロあたり原価等を用いて、タクシー1台あたりの年間収支を算出する。現状では、1台あたり15万円程度の赤字となっている。 自動運転タクシー道入により、項目別の費用が次のように変化すると仮定する。 ○人件費(運送):運転⼿はいなくなるが、防犯や安全確保、ならびにトラブル発生時の対応のために監視員が必要になると想定する。監視員は、1人で4台の⾞両を監視できるものと仮定する。 ○修繕費・固定資産償却費:主に⾞両保有により発生する費用であることから、自動運転タクシーの導入に必要となるコストとして考える。つまり、投資可能な費用として考える。 ○営業収益:自動運転技術の導入により、収益が増加する可能性が考えられる。例えば、自動運転化による実働率(実働する⾞両の割合)の上昇や、AI配⾞等による実⾞率(⾛⾏キロに占める実⾞キロの割合)の上昇が期待できる。以下の検討では、営業収益が上昇しないケースと、上昇するケースの2ケースを検討する。 上昇するケースでは、実働率は75%(2014年)から85%(将来)に10ポイント上昇すると仮定する。実⾞率は41%(2014年)から50%(将来)に9ポイント上昇すると仮定する。 表3-3-1 タクシー1台あたりの年間収支 ①②①×②③日数④円/kmkm/日/台円/日/台%日/年千円/年/台人件費(運送)113.0917619,90475%3655,444人件費(管理)9.461,665365455燃料費14.592,568365702修繕費4.33762365208固定資産償却費4.03709365194保険料4.72831365227その他(運送)10.741,890365517その他(管理)7.381,299365355非営業費用計168.3429,6288,104営業収益計165.1529,0663657,951営業損益365-154①走行キロあたり原価②実働日車あたり走行キロ③実働率④ ①×②×③×365 年間1台あたり費用および収益 資料 (一社)日本自動⾞会議所:自動⾞運送事業経営指標 平成26年版 を基にTTRI作成

元のページ  ../index.html#71

このブックを見る