豊田市におけるタクシーを活用した外出支援策に関する研究
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63 2-3.自動運転タクシーに想定される適応領域等 ここでは、自動運転タクシーに想定される適応領域として、先述のロードマップでも示されている限定地域での無人自動運転移動サービスの導入を考える。限定地域としては、⾼齢化の進展や公共交通の衰退により移動の問題がより深刻である中⼭間地を想定する。 現在の中⼭間地の移動を担うサービスのひとつに、乗合タクシーが考えられる。自動運転タクシーサービスは、運転⼿が不要となることによりコストの削減が期待できるが、需要が限定される中⼭間地域にまで、⺠間の独⽴採算によるサービスが導入されない可能性もある。その場合、地域住⺠が主体となって移動⼿段の確保(住⺠の自助や共助を前提とした⾏政の支援による⺠間サービスの導入)が求められる。 以降では、共助による交通⼿段の導入に関するガイドラインを参考に、自動運転タクシーの適応領域や運⾏形態、必要となる資源等について整理する。 2-3-1.自動運転タクシーの適応領域 自動運転タクシーの特徴を踏まえて適応領域を整理する。 自動運転タクシーの利点としては、運転⼿の人件費を抑制できることや、運転⼿不足にも対応できることが挙げられる。 一⽅、欠点としては、自動運転の導入に必要となる⾼精度3次元地図や路⾞間協調のためのインフラ、ならびに通信環境のインフラの整備が必要となることや、それらの整備コストの調達が必要となることが挙げられる。 これらのコストが掛かりすぎると、人件費の抑制効果を帳消しにしてしまう恐れもある。ただ、人⼿不足の解消には貢献しうる。 また、この他の欠点としては、利用者が乗降する際に補助や介助が必要となる場合に、無人の自動運転タクシーでは対応ができないことや、予約の際に電子端末の操作が必要になる場合は、利用者に情報リテラシーが求められることも挙げられる。 表3-2-1 自動運転タクシーの利点・欠点 利点 運転⼿の人件費を抑制 運転⼿不足に対応等 欠点 ⾼精度3次元地図や路⾞間協調のためのインフラ整備コストを要する 通信環境のインフラ整備コストを要する 利用者乗降の際に補助や介助の対応が不可(完全無人の場合) 利用予約が必要な場合に利用者に情報リテラシーが要求される 等

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