豊田市におけるタクシーを活用した外出支援策に関する研究
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36 (5)運⾏範囲 ・「市町村内の一部」、「市町村内の全域」、「市町村内、及び、他の自治体の一部」の3つに大別された。 ・「市町村内の一部」を運⾏範囲とする場合は、路線バス等の維持が困難な一部地域において、最低限の交通⼿段を確保するために設定されることが多い。 ・「市町村内の全域」を運⾏範囲とする場合は、⾯積の小さい自治体で採用されることが多い。 ・「市町村内、及び、他の自治体の一部」を運⾏範囲とする場合は、他の自治体にある病院・鉄道駅・商業施設など、移動先を限定する事例が多い。 ・運⾏範囲は、当該市町村の⾯積や、既存の路線バスの運⾏エリア、既存のタクシー事業者の本業とのすみ分け、住⺠が必要とする移動先の確保等を考慮して設定する必要がある。 (6)乗降場所 ・「停留所のみ」、「自宅及び停留所」、「限定なし(ドア・ツー・ドア)」の3つに大別された。 ・路線運⾏を実施している場合は、「停留所のみ」を乗降場所としている事例が多い。 ・「自宅及び停留所」を乗降場所とする場合、運⾏範囲内に多くの停留所が設定され、ドア・ツー・ドアに近いサービスが提供されている事例が多い。 ・「限定なし(ドア・ツー・ドア)」は、過疎地域の⾼齢化の進展に伴いニーズが⾼まっている。 ・ドア・ツー・ドアでの運⾏は、利用者の利便性が⾼い一⽅で、移動需要を捌ききれない状況が生じる可能性もある。従って、タクシー事業者の本業との差別化に加えて、需給バランスを調整するような制約(利用者、運⾏範囲、運⾏時間など)も合わせて検討する必要がある。 (7)支払い⽅法 ・「現⾦のみ」、「チケットのみ」、「現⾦とチケットの併用」の3つに大別された。 ・チケットの発⾏は煩雑であるというデメリットがある一⽅で、利用者を限定する場合や、発⾏枚数に上限を設けて自治体の経費負担の⾒通しをつける場合に有効であると考えられる。 (8)利用者の事前登録 ・事前登録を「必要」とする事例と「不必要」とする事例に大別された。 ・事前登録を必要とする目的としては、利用者の限定やスムーズな予約受付などが考えられる。

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