豊田市におけるタクシーを活用した外出支援策に関する研究
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34 限定なし ・沖縄県南城市 デマンドバス「おでかけなんじぃ」の運⾏ 市⺠および市を訪れる観光客 ・栃⽊県茂⽊町 茂⽊町デマンドタクシー「めぐるくん」の支援 利用者登録を済ませば誰でも利用可能 2-1-2.整理結果の考察 整理結果の各項目について、以下のようにまとめと考察をおこなった。 (1)法律上の位置づけ ・「乗合タクシー」と「乗用タクシー」に大別された。 ・乗合タクシーは、道路運送法の第4条で許可される事業区分「一般乗合旅客自動⾞輸送事業」に該当し、運⾏形態として、「路線定期運⾏」、「路線不定期運⾏」、「区域運⾏」の3種がある。⾞両が乗用⾞(タクシー)であっても、法的には乗合バスと同じ位置づけとなる。 ・乗用タクシーは、道路運送法の第4条で許可される事業区分「一般乗用旅客自動⾞輸送事業」に該当し、いわゆる(一般の)タクシーである。 ・利用者との契約関係の違いとして、乗合タクシー(乗合バスも同様)では、事業者と利用者1人1人が個別に契約を結んでいることになる。一⽅、乗用タクシーでは、事業者と利用者との間には、1回の運⾏につき1つの契約しか存在しない。言い換えると、乗用タクシーで不特定多数の乗客を一度に乗⾞させることはできない。 ・タクシーの活用事例をみると、乗合タクシーは導入にあたり法律上の⼿続きが煩雑となるが多くの事例があり、その中でも区域運⾏が大半を占めていた。 ・これまで、地域公共交通は乗合とすることが暗黙の前提になっていたように思われる。しかし、移動の需要密度が低い状況では、必ずしも乗合とする必要がなく、導入が容易であることも考慮すると、今後、乗用タクシーを地域公共交通として活用することが考えられる。 (2)自治体とタクシー会社の契約関係 ・「⾞両借上げ」、「運⾏単価」、「タクシーメーターの補助」の3つの契約形態に大別された。 ・「⾞両借上げ」契約は、契約した時間帯に契約した台数の⾞両を確保する⽅式である。普段、タクシーが待機していない地域でも⾞両を確保できる。自治体にとって負担額が一定であり、予算が組みやすい。事業者にとっては収入が安定するといったメリットがある。一⽅で、利用が少ない場合でも自治体の支出が削減できない。事業者は収入を確保しているためサービス改善のインセンティブが働かないといったデメリットもあると考えられる。

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