豊田市におけるタクシーを活用した外出支援策に関する研究
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24 3.⾼齢社会におけるタクシーを活用した外出支援策の検討 利用者へのアンケート調査および⾼齢住⺠向けアンケート調査から明らかとなった、⾼齢者のタクシー利用状況および⾼齢者の外出⾏動は以下の通りである。 【利⽤者アンケート調査から明らかになった⾼齢者のタクシー利⽤実態】 • ⾼齢者のタクシー利用は通院と買い物目的の利用が多く、その利用は午前中から午後の早い時間帯に集中している • 娯楽目的での利用は少なく、⾼齢者のタクシー利用は生活必需の移動に限られる傾向が推察 • 利用者は⼥性が圧倒的に多く、男性の利用は少ない 【⾼齢住⺠向けアンケート調査から明らかになった⾼齢者の外出⾏動】 • 外出頻度において交通⼿段を問わず、買い物目的が最も多い傾向にあるものの、娯楽・趣味での外出頻度はそれに次ぐ • 自家用⾞を運転して外出している割合が圧倒的に多いが、運転への抵抗を感じている人や、運転範囲を限っている人も存在 • おおむね現在より10年以内に自動⾞の運転が困難になるという風に認識している人が多く、その後の移動⼿段としては公共交通機関を想定 • タクシーの利用については、運賃が半額もしくは1000円で頭打ちになれば、日常的な外出に使ってもよいという回答が多い これらのことから、⾼齢者の外出支援を目的としたタクシー活用策を考えると、以下のようなサービスが想定される。 予防介護の観点から、通院・買い物といった必需性の⾼い移動だけでなく、趣味娯楽といった自由目的での外出でも利⽤できるものする 運賃抵抗を下げ、自家⽤⾞からの転換を促進するために、利⽤者の負担を現在のタクシー運賃の半額程度に抑える そのためには、タクシーの利用料⾦に対して補助を⾏うことにより、低廉な料⾦でタクシーを利用できる環境を整備することが考えられる。実際に、蒲郡市6)においては、70歳以上の市⺠を対象として、タクシー料⾦を3割(うち1割を事業者、2割※を市が負担 ※1000円を上限)割り引く仕組みを導入している。 ⾼齢住⺠向けアンケートの結果から、タクシー料⾦を半額程度に抑えてほしいという回

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