中国の都市における交通まちづくりの現状と将来に向けての動向に関する調査
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78 図 4-8 車両予約スマホアプリ39 我々は2017年9月に「聯程共享」の本社を訪ね、ヒアリング調査を行った。EVシェアリングサービスの運営実態及びその課題について、ヒアリングを基に下記の通り整理できる。 • 登録会員数が順調に伸びているため、EVシェアリングビジネスの規模はさらに拡大する見通しがある。 • 会社は社会貢献を重視し、深圳市の大学や研究機関で勤務しているポストドクターを対象に、EVシェアリングの無料利用サービスを提供している。 • EVシェアリングシステムを運営するにあたり、最も大きな課題は車両の維持費である。 • 市行政は慎重に進めたいため、EVシェアリング用車両のナンバープレートの交付数を制限しており、事業規模をさらに拡大することには限界がある。その影響として、サービスを改善するため、必要に応じて関係会社から車のナンバープレート枠を借用する可能性を検討している。 • EVシェアリングサービスの運営理念は、ガソリン車シェアリングサービスと異なる。EVシェアリングシステムの構築は、環境負荷の大幅な低減の実現に貢献できれば、経済利益は多くなくても、社会的価値が高い。 • 今後の経営方針としては、新エネルギー自動車産業の規模を拡大していくとともに、「Internet+」(中国でよく使っている表現で、インターネット技術にプラス・アルファーを意味し、IoT「Internet of Things, もののインターネット」に類似する)ならびに「シェアリングビジネス」という新たな経営モデルにさらなる改善を図っていく。 39 出典:「联程共享」有限公司、http://www.unitedjourney.com.cn/index.php?act=document&code=help_use(中国語) ①入会②認証③ステーション選択④車両予約⑤車両取得⑥車両利用⑦車両返却

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