中国の都市における交通まちづくりの現状と将来に向けての動向に関する調査
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74 4-3 電気自動車によるカーシェアリング 現在、車社会が急速に進展している中国大都市では、自動車の利用によって道路渋滞、大気汚染、騒音などの問題が深刻化しているため、車保有・利用のコントロールに向けた方策検討が進みつつある。その中で、環境影響の少ない電気自動車(以下、EVと称する)を用いたシェアリングの普及は有用の方策と言われており、この点について日本より進展しているが、中国でのEVシェアリングに関する研究報告が日本国内ではまだ少ない。 そのようなことを背景に、本稿では、経済の発展に伴って人口や自動車の保有が急激に増加する中国深圳市を事例として取り上げ、インターネットや既存研究による情報収集だけでなく、EVシェアリングの事業を運営している会社を対象にしたヒアリング調査を通じて、中国大都市におけるEVシェアリング事業展開の実態などについて報告する。 4-3-1 深圳市の自動車交通問題とその対策 (1)深圳市の概要 深圳市は、常住人口が約1,190.84万人(2016年末)、面積が1,996.85 km2(東京都とほぼ同じ)の大都市である。中国南部に位置し、中国の特別行政区の一つである香港と隣接している31(図 4-7参照)。この都市は、中国の開放・改革政策によって最も早く経済特区に指定された都市で、現在、北京市、上海市、広州市と共に、中国本土の4大都市と称される「北上広深」の一つである。生産、サービス、金融、イノベーション、流通などの全国規模の経済活動の中で、牽引役を担い、波及効果を持つ等主導的役割を果たしている大都市となった32。 図 4-7 中国における深圳市の位置図 31 出典:深圳市駐日経済貿易代表事務所、http://www.shenzhenoffice.jp/only/about.aspx 32 出典:人民网(日本株式会社)、http://j.people.com.cn/94476/100561/100569/7899843.html

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