中国の都市における交通まちづくりの現状と将来に向けての動向に関する調査
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3 1-3 調査対象都市の検討 本調査の狙いとしては、ライドシェア、自転車シェアリング、路面電車事業の復興、都市づくりや地域づくりにおける特区制度「国家級新区」の活用、世界的に展開されているスマートシティの実現に向けてのビッグデータの活用やITSのほか、新しい方策等を念頭に、以下の都市を調査のターゲットとする。 A.南京市:経済発展が進んでいる沿海地帯の東南地域に立地され、自転車共同利用に代表されるシェアリングビジネス、地下鉄やLRT等公共交通システムの発展、特色のある商店街等まちづくりの動きについて調査をすることを念頭に進める B.西安市:経済発展が相対的に遅れている内陸の西北地域に立地され、シェアリングビジネスは自転車共同利用中心で、地下鉄やバス等公共交通システム、特色のある商店街等まちづくりの動きのほか、「新区」計画による地域開発の展開による都市計画のあり方等 C.深圳市:AとBと違い、中国では「北上広深」という最も経済が発展した4大都市の一都市である。ITS等先進技術の導入、「新区」制度の前の「特区」で(一漁村から国際大都会へ変貌した)最も成功していると評価されている制度的改革等 南京、西安、深圳のいずれも中国の住宅都市農村建設部はじめとする中央政府の19省庁(发改委、卫计委、教育部等)が合同で编制した11ある中心都市である。(この計画は、2017年2月に公表された中国最高レベル的战略計画で、北京、広州、上海、深圳の4グロバール都市と天津、重慶、瀋陽、南京、武漢、成都、西安、杭州、青島、鄭州、厦门の11中心都市を指定した。) また、三都市とも2017年3月14日に住宅都市農村建設部が初めて指定した都市設計モデル都市である。(第1回目の指定とした20都市:北京市、ハルピン市(中国語で、哈尔滨市)、長春市、青島市和東営市、南京市和蘇州市、合肥市和馬鞍山市、杭州市、寧波市和義乌市、鄭州市、深圳市和珠海市、玉溪市、西安市、銀川市、包頭市和フルンボイル(中国語で呼伦贝尔市)) 1-3-1 南京市 南京市での現地調査は2017年5月25~29日間に実施した。ヒアリングの相手は以下の通りである。 ・江蘇省建設委員会:周友根(Yougen ZHOU) 処長・技師長 ・南京大学建築・都市計画学院:甄峰(Feng ZHEN)教授、席広亮(Guangliang XI)研究員、唐佳(Jia TANG)博士課程3年生 ・福州大学建築学院長:沈振江(Zhenjiang SHEN)教授 ・南京工業大学交通学院・院長助理:王衛潔(Weijie WANG)准教授

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