中国の都市における交通まちづくりの現状と将来に向けての動向に関する調査
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47 3-3 交通系ビッグデータの収集・管理 2015年においては、総合交通運行指揮センターは重点運営車両のGPS(15.5万台)車載器、ビデオカメラ(1.97万台)、交通ICカード(1,400万枚)、車両感知器(磁気類型:797、マイクロ波類型:18)、道路巡回移動端末等(839台)による交通系ビッグデータを蓄積・分析・活用し、行政、運輸業界、一般市民に向けて、道路交通運行状況に関する様々な情報を提供している。また、総合交通運行指揮センターに設置されている総合交通管理システムは29個のサブ情報システムにより構成されており、データボリュームは8G/日(ビデオデータを除く)、データ記録数は約3,500万/日である27(図 3-3参照)。最新動向としては、データボリュームは30G/日(ビデオデータを除く)、データ記録数は1億/日である。このセンターはこういった膨大なデータを収集・管理・活用している。 また、交通系ビッグデータをうまく活用できるよう、この組織はビッグデータのプラットフォームを構築し、先ほど述べた従来の交通系ビッグデータのみならず、警察、都市管理者、交通研究センター、DIDI(滴滴)、Tencent(腾迅)、Gaode(高德)、Baidu(百度)などの組織または会社からも、交通系ビッグデータを入手し、モニタリング、分析、シミュレーション、データマイニング、応用などの領域で活用している。これらの交通系ビッグデータを活用したプラットフォームは中国国内でトップレベルのものとして評価されている(図 3-4参照)。このため、中国国内の各地では、深圳市の先進事例を参考しながら、各自の状況に合わせるようなデータプラットフォームを構築しているため、「深圳モデル」は全国で知らせている。 図 3-3 交通系ビッグデータの収集方法

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