中国の都市における交通まちづくりの現状と将来に向けての動向に関する調査
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1 1. 序論 1-1 研究背景及び目的 中国において経済発展が急激に進む中、スマートシティ(智慧城市)の建設が重要な国策になった。ICT(Information Technology)を都市へ適用させる新型スマートシティの政策を打出し、スマートインフラの整備を含めて、住宅建設部省(部)と工業情報省のスマートシティモデルを統合した。また、日本と同様で、ITS(Intelligent Transport Systems)を活用して様々な都市交通施策を打ち出している。特に、日本ほど規制が厳しくないため、日本で考えられないようなデマンド交通システム(滴滴打車ほか)によるサービスや新しいPMV(Person Mobility Vehicle)の発売等の新技術・新手法の活用がある意味で世界をリードしている側面もある。一方、これまで、日本が欧米偏重で世界を捉える傾向があり、急激な成長によって世界第2の経済国になった中国の実情を発展途上国の位置づけで支援先とみている。先進的な取り組みについての情報が極めて不足している。 このようなことを背景に、本調査では、中国におけるITSはじめとする最新技術を活用するスマートシティ(交通まちづくり)の現状と自動運転等最新の動向を把握することを目的として、今後の日本まちづくりの参考とすると同時に、日本の交通イノベーションの推進における課題整理にも役に立つ基礎資料とする。

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