中国の都市における交通まちづくりの現状と将来に向けての動向に関する調査
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36 2-2-5 IoT技術による違法路上駐車の取締り 深圳市では、経済が急速に進展するとともない、自動車の利用需要が著しく増加している。一方で、駐車場整備は車の保有台数の増加に追いつけていないため、違法路上駐車の問題が深刻化している。特に、都心部における違法路上駐車は、他の走行車両の通行を妨げ、交通渋滞や交通事故を引き起こす大きな要因の一つとなっているため、違法路上駐車への取締り対策が求められている。このため、都市における駐車秩序を良くすることを図るため、道路管理者は新たなIoT技術を活用して、道路上にある駐車スペースにセンサを設置し、有料パーキングスペースを設けている。道路管理者はこの駐車管理システムを「宜停車」と呼ぶ22。利用方法としては、利用者はパソコンやスマホを使って、駐車時間に応じて、駐車スペースを利用するための料金を支払う。もし駐車料金を支払わずに路上駐車を10分以上するなら、道路上に埋めているセンサは、駐車システムを管理している道路管理者に違法路上駐車の情報を通知し、道路管理者は巡回者を派遣し、車の窓グラスに違法駐車通知書を貼り付けている。違法駐車の運転者は後日、違法駐車通知書を持って、警察署に行って、反則金(500元=約8,400円)を納付しなければならない。ここで、運転者は料金を支払わずに路上駐車スペースに駐車していることは運転免許の点数が減点させておらず、横断歩道上に違法駐車、また駐車禁止場所に違法駐車への取締り方法と異なることに留意する必要がある。 「宜停車」システムの構成についての説明は次のとおりである(図 2-6参照)。このシステムはスマート・クラウド技術を活用し、ドライバーのサービス体系、前端IoT体系、運営管理体系によって構成されている。その中で、ドライバーのサービス体系はシステムのHP、コールセンター、スマホAPPによって構成されている。前端IoT体系は車両検知器、無線LAN中継機によって構成されており、また運営管理体系はコントロールセンター、巡回PDA端末によって構成されている。「宜停車」システムの前端設備及び後端设备は図 2-7、図 2-8それぞれに示す。 図 2-6 「宜停車」システムの構成図 22 出典:宜停车(模式)、http://www.ecaray.com/product/shouldpark.html(中国語)
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