中国の都市における交通まちづくりの現状と将来に向けての動向に関する調査
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30 みると、2017年7月16日までに、「電子眼」による53万4千件取締りのうち、約31万件の処理が完了し、全件数の約58%を占めている20。 写真 2-1 交差点手前に設置されている電子眼 2-2-2 ビデオ観測による違法取締り 交通実態を観測するビデオモニターの拡張機能として、技術的に画像処理の精度向上から、ビデオ観測による違法の取締りの取組も進められている。2015年11月時点まで、深圳市は、市域内にある高速道路区間に422台、トンネル部で117台、主要都市道路区間に3,554台を設置している。そのため、このような取組が本格運用されたら、IoTによる交通取締りはさらなる規模拡大につながると考えられる。 ビデオ観測による違法取締りは道路区間を対象としていることだけでなく、交差点手前の横断歩道にも対象としている。その狙いとしては、赤信号を無視している横断歩行行為を取り締まることを目指していることである。写真 2-2に示しているのは赤字信号違反の歩行者を自動的に識別してその方の関連情報を表示する大型モニターである。写真 2-3に示す例にあるように、その情報は顔写真のほか、顔認識からその方の「身分証(日本のマイナンバーカードに相当する)」から読み取れる住所等一部の個人情報も表示させる。このようなシステムはフランス等欧州でも導入される例があり、恥さらしによる警告で違反を抑制させるものである。 20 出典:人民网、http://sz.people.com.cn/n2/2017/0716/c202846-30478581.html(中国語)

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