多様なモビリティの共存による低炭素交通の実現~自動車CO2排出量算定の改善に関する研究~
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264.まとめ 環境モデル都市である豊田市において、次世代自動車の早期大量普及は使命ともいえる。一方で、普及の実態を反映した自動車CO2排出量の算定手法を確立し、普及によるCO2削減効果を正確に把握する必要もある。 そこで本研究では、既存の統計資料をベースに、自治体別の次世代自動車普及状況を反映できる運輸部門の温室効果ガス排出量算定手法を提案した。 提案手法の特徴として、ハイブリッド車等の次世代自動車とガソリン車等の従来車を異なる車種として分けること、さらに、CO2排出原単位に影響が大きい車両重量を用いて、さらに細分化して車種分類を行うこと、また、都道府県別のエネルギー消費量統計に基づくCO2排出量と、提案手法に基づくCO2排出量が一致するように、カタログ燃費に拡大係数を乗じて車種毎にCO2排出原単位を設定することがあげられる。 平成27年度の豊田市の乗用車CO2排出量について、従来手法と提案手法を用いて算出した結果を比較したところ、提案手法では1.6%の減少となった。これは、豊田市のハイブリッド車普及率が愛知県の平均よりも高いこと、車両重量別にみた車種構成として、豊田市はCO2排出量のより多い、重い車両でハイブリッド車が普及していることを反映した結果であった。 さらに、豊田市の保有車両数の約4割を占める車両重量1,400~2,000kgクラスでHV率が7.7%~20.2%と低いことから、この重量クラスに該当するミニバン等で次世代自動車を普及させることで、自動車CO2排出量の削減が期待できるとの知見が得られた。 また、次世代自動車は、従来のエンジン車にはない駆動用バッテリーを搭載するため、自動車の温室効果ガス排出量をライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からみると、バッテリー等の部品製造時や廃棄時に、従来の自動車よりも多くの温室効果ガスを排出する可能性がある。そこで本研究では、ヒアリングや資料調査により、次世代自動車のLCA評価について情報収集も行った。 情報収集の結果、自動車メーカーが実施するLCA手法について、具体的な方法は公表されておらずLCA評価機関である社団法人産業環境管理協会による第三者認証を受けて実施している。次世代自動車へのバッテリー搭載量の増加は、「廃車」時よりも「素材・部品・自動車製造」時のCO2排出量増加をもたらし、今後、製造時のCO2削減が必要であるとの知見が得られた。 今後の課題として、提案手法の有効性を一時点の評価ではなく、過去から現在へ、また、現在から未来へ、次世代自動車の普及効果を評価するツールとしての活用可能性も示す必要がある。また、市町村の自動車CO2排出量を推計するにあたって、既存統計で市町村別に得られる値は自動車保有台数のみであり、走行距離やCO2排出原単位はその市町村が含

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