多様なモビリティの共存による低炭素交通の実現~自動車CO2排出量算定の改善に関する研究~
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7表 2-5 道路交通センサス自動車起終点調査データ活用法(E法)の推計式4) 2-1-2.現状手法の課題 A法は、簡便である一方で、考慮できる車種が旅客、貨物の2車種と少なく、地方公共団体(市町村)の現状との乖離が大きくなることが懸念される。 B法は、A法に比べて考慮できる車種やエネルギー種別が増えている一方で、地方公共団体(市町村)の現状を反映するために十分な分類とはいえない。例えば、乗用車では、軽乗用車、小型乗用車、普通乗用車の3種類しか考慮できず、ハイブリッド車等の次世代自動車の普及や、環境負荷の低い車両を普及させている効果を評価することができない。 E法は、推計に用いる交通センサスデータの更新頻度が5年毎と長いため、最新の状況を反映できない。また、地方公共団体(市町村)に分類すると、データサンプル数が少なく推計値の誤差が大きくなることも懸念される。 2-2.本研究で提案する手法 2-2-1.提案手法の概要 本研究では、自治体が独自に自動車CO2排出量を推計する必要がある中核市以上(人口20万人以上)の市で活用することを前提に、都道府県別車種按分法(B法)を改良し、次世代自動車や環境負荷の低い車両の普及を考慮できる新しい自動車CO2排出量推計手法を提案する。 提案手法の推計式を式(1)に示す。本手法は、車種の区分に次世代自動車と非次世代自動
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