車両挙動を考慮した生活道路における高齢運転者への助言型ISA効果検証
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1 1. 序論 1-1 研究の背景及び目的 生活道路における交通安全対策の重要度が高まる中で、近年欧州で技術開発が進むISA(Intelligent Speed Adaptation)は、日本においてもその効果に期待が寄せられていた(図 1-1参照)。このため、国内では生活道路におけるISAの効果検証に関する基礎的研究が行われている。当研究所では、生活道路における助言型ISAの速度抑制効果を検討するため、平成25年度からの3ヶ年間にわたる長期的実証実験を実施した。実証実験の流れとしては、平成25年度はスマートフォン(Android OS)上で稼動する助言型ISAアプリの開発を行った。平成26年度は引き続き同アプリの改良を行い、一定の精度が得られた段階でこれを用いて、非高齢者を対象に、約5ヶ月間に亘るフィールド実験を実施した。さらに、平成27年度は、高齢者を含む28名の被験者の協力を得て、同様の実験を継続実施した。 図 1-1 助言型ISAの研究背景及び目的(先行研究) これまでの先行研究では、生活道路における助言型ISAの対策導入・推進にあたっての知見を得るため、助言型ISAの長期的な公道実験で収集したプローブデータを用いて、助言型ISAが高齢運転者を含む一般ドライバーに与える影響について、多視点から様々な研究分析を実施し、国内外の学会で口頭発表や国内外のジャーナルに論文公表を通じて、積極的に情報発信を実施した。なお、長期的な実証実験を実施する前に、当研究所はドライミングシミュレーターによる室内実験、一時的な公道実験を行い、これまでに助言型ISAに関する先行研究について、DS室内実験1-4)や一時的公道実験5)を図 1-2、長期的公道実証実験研究所におけるISAの研究背景及び目的○生活道路で死亡事故が発生する割合は、やや増加の傾向にあるため、その対策が求められていた→交通事故による被害程度は衝突時の走行速度が大きく関係するため、車両速度の抑制が重要着眼した生活道路での速度抑制方法□交通規制によるもの内容:最高速度を設定することにより運転者に規制速度の遵守を強いる方法課題:規制速度を守るというモラルが非常に低いとの報告がある□空間整備によるもの(ハンプ、狭さく)内容:物理デバイスにより自動車が通過する際に強制的に速度をおとさせる方法課題:①整備費用が高い②導入に対する地域住民・管理者の理解□コミュニケーションによるもの(Dynamic Speed Display Sign、Intelligent Speed Adaptation)内容:車両との情報交換により、運転者の認知に働きかける(速度を超過しているという事実を伝える)ことで、運転者が自ら速度を落とそうとすることを促す方法■研究目的○欧州を中心に、車両側から適正な車両速度を抑制・制御するISAの研究が進んでおり、その速度抑制効果についての研究報告が見られたため、わが国においてもISAは生活道路における速度抑制の手段になるかどうかを検証することを目的■背景
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