車両挙動を考慮した生活道路における高齢運転者への助言型ISA効果検証
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28 4-2-5 被験者別速度規制低下点の通過回数 交差点での右左折、徐行、信号待ちなどの車両挙動を考慮した結果では、速度規制変化点は283箇所から41箇所に集約した。41箇所の分析対象となる速度規制低下点における被験者別の速度遵守と速度超過をあわせた通過回数を表 4-2に示す。その結果から、被験者全体の合計値としては、助言型ISA稼動前が197回で、助言型ISA稼働中が304回であることが分かる。ここで、通過回数は被験者により差が大きいため、被験者別の速度規制遵守率の平均値を把握することは有意な知見を得ることが困難であると考える。 表 4-2 被験者別の速度規制低下点の通過回数 被験者番号 被験者年齢層 助言型ISA稼動前 助言型ISA稼動中 EI012_XM003 高齢者 5484EI015_cycle-6 25EI016_XM005 37EI020_XM006 1113EJ001_cycle-4 99EJ002_XM017 97EJ004_XM016 520EJ007_XM018 25EJ009_XM015 62EM001_XM009 1426YJ001_T005 非高齢者 02YJ005_T002 1716YJ010_T009 3026YJ011_T009 30YJ012_T001 1458YJ014_cycle5 35YM001_T004 109YM004_T001 33YM005_T002 13YM010_cycle1 14合計 197304 4-3 分析結果 4-3-1 速度規制低下点を対象とした分析結果 速度規制低下点を対象とした分析を試みるため、被験者別の通過回数及びその遵守率を表 4-3に整理。なお、分析結果の信頼性を確保するため、助言型ISA稼動前、助言型ISA稼働中ともに、通過回数が5回以上のものを対象と抽出した。この分析から、次の結果が分かる。まずは、助言型ISAの情報提供による高齢者の遵守率変化では、5箇所のうち、4箇所が低下で、1箇所が上昇である。これに対して、助言型ISAの情報提供による非高齢者の遵守率では、4箇所のうち、2箇所が横ばいで、1箇所が上昇で、1箇所が低下である。このことから、速度規制低下点において、高齢運転者に対して、助言型ISAの速度抑制効果があると言える。ただし、本章では分析対象となる速度規制変化点のサンプル数が少ない問題点に留意する必要がある。

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