車両挙動を考慮した生活道路における高齢運転者への助言型ISA効果検証
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23 4. 速度規制変化点で助言型ISAによる速度遵守効果検証 本章では、速度規制変化点における運転者の速度遵守状況を把握するとともに、助言型ISAが非高齢者・高齢者の速度遵守行動に与える効果を計測するため、議論を展開していく。 4-1 研究の狙い 本章の狙いとしては、「速度規制変化点」を研究対象に、助言型ISAが「高齢運転者」の速度遵守行動を促す効果があるかを把握する。本章の分析対象となる速度規制変化点は、流入リンクが車道幅員5.5 m以上かつ速度標識無の道路区間(法定速度:60 km/h)で、流出リンクが速度標識有の道路区間である交差点である。その理由は次の通りである。図 4-1に示すように、公道実証実験で用いた助言型ISAは、法定速度が60 km/hである道路区間を情報提供対象外と設定したため、研究分析では運転者が助言型ISAの速度超過警報の最初に発声されることによる運転行動変化をある程度把握するものである。また、表 3-1に整理した先行研究では、速度違反を起しやすいと考えられる速度規制が変化した場所を分析対象とした助言型ISAの速度抑制効果はまだ検討できていない。 図 4-1 ISAアプリによる走行空間別提供情報 以上の背景を受けて、本章では、「速度規制変化点」において、「車両挙動」や「沿道条件」を考慮し、助言型ISAが高齢運転者の速度規制遵守行動を促す効果があるかを分析することを目的とする。研究分析の必要性は次のとおりである。高齢運転者は身体機能の低下により、道路標識を見落としやすいと言われるため、速度規制が低下した交差点において、意図せずに規制速度を守らない可能性がある。これらの道路箇所における高齢運転者を対象とした助言型ISAの速度抑制効果を検証できれば、助言型ISAの導入は高齢運転者の意図せずに、速度超過を防止するための有効な手段となりうる。また、本章の二つの分析視点は次のとおりである。
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