車両挙動を考慮した生活道路における高齢運転者への助言型ISA効果検証
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14 (2) 車両挙動を考慮した走行実態を適切に表現する代表速度データベースの構築 その理由は運転者が自動車を運転する際、必要な場合に応じて徐行する必要があるため、これらの運転行動は運転者走行中の規制速度遵守意識を反映できない可能性がある。そこで、本研究は速度低下 (10 km/h) GPSデータを解析対象から除外し、単路区間の実態をより適切に反映するものを用いる。 (3) 歩道や沿道条件が走行速度に及ぼす影響を考慮したISAの速度抑制効果の検証 その理由は生活道路において、歩道有無や住宅有無によって、運転者の走行速度が異なると想定されるため、これらの状況を考慮しないと、助言型ISAの速度抑制効果を断定できない。そこで、本研究は歩道有無や住宅有無によるISAの速度抑制効果の違いも把握する。 3-2 分析方法 3-2-1 運転者サンプルの選定 助言型ISAの公道実験において、実施年度によって、インセンティブプログラムの設定方法(表 3-2参照)が異なるため、本章ではISAのみ群の高齢者10名、非高齢者10名を研究対象にする。ここで、インセンティブプログラムの変更理由としては、狭幅員道路周辺において、助言型ISAの情報提供が不正確であること、また速度規制無の生活道路において、他車から煽られる危険体験があることである。 表 3-2 実施年度別のインセンティブプログラムの設定方法及び対象者 3-2-2 幅員5.5 m未満道路区間の抽出 高齢者10名、非高齢者10名の運転者のプローブデータの解析結果を用いて、すべてのphase(表 3-3参照)において、利用者の走行実績がある幅員5.5 m未満の道路区間を抽出した。その結果としては、道路区間数は602であるが、そのうち、ISA情報提供範囲内(図 2-1参照)のものは475となっている。また、具体的な抽出方法は図 3-1に示す。 年度インセンティブ対象道路空間被験者群の設定被験者対象2014ゾーン3030キロ規制幅員5.5m未満ISAのみリワードペナルティ非高齢者20名○ISAのみ:6名○リワード:6名○ペナルティ:7名2015ゾーン3030キロ規制ISAのみリワード高齢者21名○ISAのみ:10名○リワード:11名非高齢者7名○ISAのみ:4名○リワード:3名

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