車両挙動を考慮した生活道路における高齢運転者への助言型ISA効果検証
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13 3. 速度標識無の生活道路における助言型ISAの速度抑制効果検証 本章では、速度標識無の生活道路における運転者の走行速度を把握するとともに、助言型ISAが非高齢者・高齢者の速度抑制に与える効果を計測するため、議論を展開していく。 3-1 研究の狙い 本章の研究の狙いは、「狭幅員道路」を対象に、助言型ISAが「高齢者」の速度遵守行動を促す効果を検証する。また、研究の位置づけを明確に示すため、これまでの先行研究との違いについて、速度規制、年齢層、インセンティブプログラムの考慮、評価指標を表 3-1のように整理する。その中で、道路区間を対象とした速度規制遵守行動のマクロ評価指標およびミクロ評価指標それぞれのメリット、デメリットも整理する。 表 3-1 先行研究との違い及び本研究の着眼点 本章の位置づけとしては、「速度規制標識無の生活道路」において、「車両挙動」や「歩道や沿道条件」を考慮し、助言型ISAが高齢運転者の規制速度遵守行動を促す効果を検証するものである。また、本研究の特徴は次のとおりである。 (1) 速度規制無の生活道路において、ISAが高齢者の速度遵守行動を促す効果の検証 その理由は生活道路において、高齢運転者の交通事故が多いことが知られている。生活道路の中、速度規制無の道路が無数に存在しているため、その割合が圧倒的高い。これらの道路を対象に、本研究は高齢運転者を対象とした助言型ISAの速度抑制効果を検証できれば、助言型ISAの導入は高齢運転者の事故を防止するための有効な手段となりうる。 雑誌・学会名速度規制年齢層インセンティブプログラム2)の考慮評価指標無有道路空間(マクロ)3)道路区間(ミクロ)4)狭幅員1)Zone 30304050高齢非高齢有無超過率走行速度分布超過率平均速度最高速度2015EASTSジャーナル○○○○○○○○○2015日本モビリティ・マネジメント会議○○○○○○2015土木計画学研究発表会○○○○○○2016交通工学論文集○○○○○○○○○2016ITSシンポジウム○○○○○○2016日本モビリティ・マネジメント会議○○○○○○○2016土木計画学研究発表会○○○○○○2017土木計画学研究発表会○○○○○○2017本研究○○○○○○○注:1)狭幅員道路は、車道幅員5.5m未満かつ速度標識無の道路2)インセンティブプログラムは、被験者の速度規制の遵守行動によって、謝金を増減していること3)道路空間の評価指標は、速度規制別の道路空間を対象としたもので、被験者の違いを把握することが可能だが、具体的な道路区間の違いを把握できず4)道路区間の評価指標は、具体的な道路区間を対象としたもので、道路区間の違いを把握することが可能だが、被験者の違いを把握できず

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