自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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94(3)情報通信端末の普及過程 1990年代に携帯電話が登場して以降、何度かの世代交代を経てきた情報通信端末の普及過程を概観する。このサービスも、ETCと同様に⾼機能な情報通信端末を利⽤する機会がなければ保有する動機がない。さらに、⾼機能なものは、⾼機能さゆえに特に新技術に不慣れな⾼齢者には敬遠されがちなサービスでもある。 総務省の通信動向調査の結果89)より普及の推移をみると、1999年にはすでにモバイル端末全体(携帯電話やPHS)の保有率が約68%でありその後の5年間で約95%(2003年)まで上昇した。その後は横ばいで推移している。2010年以降はスマートフォンやタブレットが個別に集計されるようになる。特にスマートフォンについては2010年から2013年の3年間で保有率が50%以上上昇するという、驚異的な普及スピードを⽰している。これには、通信各社の販促(端末無料)なども寄与したものと推察される。2013年以降は伸びが鈍化し、2015年から2016年にかけてはわずかであるが減少した。 既存の端末については、固定電話はゆるやかに減少しているが、モバイル端末はスマートフォン登場以降も相変わらず⾼い⽔準を保っている。 情報通信端末は⾃動⾞と⽐べて、安価で⼩型であり端末の性能向上速度も⾼いことから、機種変更しやすいという点には留意が必要だが、より便利なものに対する普及過程を考える上では参考にすべきだろう。 図Ⅱ-5-3 情報通信端末の世帯保有率の推移88) 89) 総務省記者発表資料(2017.6.8): 平成28年通信利⽤動向調査の結果http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000112.html, 2017.

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