自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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89(2)中⼼市街地の活⼒低下に対する⾃動運転の期待 先述の通り、⾃動運転の導⼊により都市内の駐⾞場の削減や道路空間再配分により⼈のための空間が多く確保されると想定される。⾃動運転の普及により駐⾞需要が減少すると、⼟地の活⽤⽅法として駐⾞場を経営することの魅⼒が低下する。その結果、⼟地の有効活⽤の機会が増加し、多様なサービス等が提供されるようになる。特に中⼼市街地においては、相対的な地価の⾼さから、⼟地の有効活⽤に対する圧⼒はより強く働くと想定される。 このような観点から、⾃動運転の道⼊が中⼼市街地の活⼒低下に寄与することが期待できる。ただし、前ページの空き店舗が埋まらない理由でも紹介したように、所有者に⼟地の活⽤意思がなければ活⼒は⽣まれない。⾃動運転の導⼊を契機とした都市空間の再整備など、まちの活⼒向上策を⼀体的に取り組むことも重要だろう。 ⼀⽅、中⼼市街地の駐⾞需要は減少しても、⾃動運転⾞両は⾮利⽤時にはどこかに駐⾞する必要がある。駐⾞場所が需要発⽣箇所に近いほうが、需要に対して迅速にサービスすることができ、事業者と利⽤者の双⽅にとってメリットが⼤きい。そのため、主な需要発⽣箇所である都市内に、⾃動運転⾞の⼀時駐⾞施設(ステーションあるいはデポ)を設けることが想定される。そうした施設の最適配置(場所や密度)が、都市交通の問題になる可能性がある。 さらに、都市内の⼀時駐⾞施設に収まらない⾞両の⾞庫や、メンテナンスのための設備を備えた⾞両基地が必要になる。そうした施設は、⼀定の規模必要になると考えられ、郊外の遊休地等において確保されると想定される。
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