自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
90/128

864-1-4.地⽅圏での公共交通の衰退 (1)地⽅圏での公共交通の衰退の現状 主に地⽅圏においては、公共交通事業者が不採算路線から撤退することなどにより、公共交通のサービスレベルが低下していることが指摘されている80)。バス停500m圏外かつ鉄道駅1km圏外の公共交通空⽩地域は、全国で36,477km2に及んでおり、これは我が国の可住地⾯積の約30%に相当している81)。 また、⾼齢化の進展により運転免許を保有する⾼齢者が増加している。2016年末の運転免許保有者数は約8,221万⼈で,2015年末に⽐べ約6万⼈(0.1%)増加した。このうち,75歳以上の免許保有者数は約513万⼈(75歳以上の⼈⼝の約3⼈に1⼈)で,2015年末に⽐べ約35万⼈(7.3%)増加し,今後も増加すると推計される61)。免許保有者の⾼齢化が進展すると⾝体機能の低下等により⾃動⾞を利⽤できない⼈が増加する恐れがある。近年では⾼齢者の交通事故が注⽬されており、運転免許返納制度などにより運転免許の返納も進んでいる。 地⽅圏においては、公共交通のサービスレベルが低下する中で⾃動⾞が使えなくなると、⼈に頼る以外に移動⼿段を失う事になりかねない。 図Ⅱ-4-7 75歳以上の運転免許保有者数の推移61) 80) 国⼟交通省:平成20年度国⼟交通⽩書,2009. 81) 国⼟交通省:交通政策審議会交通体系分科会地域公共交通部会最終取りまとめ,2014.

元のページ  ../index.html#90

このブックを見る