自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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5(2)⾃動運転の導⼊領域 ⾃動運転を実現するためには、今は整備されていない様々なインフラが必要となる。路⾞間連携型技術に必要となる磁気マーカや磁気ケーブルはもちろん、⾞両⾃律型技術に必要となる⾼精度3次元地図や点群データを整備する必要がある。また、⾞両との通信を⾏うには信頼性の⾼い情報通信網が必要となる。 ⾃動運転を実現するために必要なインフラの整備は、⾏政が整備する場合は費⽤対効果を勘案しつつ、その時点での道路整備や都市計画道路整備の考え⽅に沿って進められる。 都市間道路網については、⾼速道路や⼀般国道などの地域間を結ぶ主要な道路から整備が進む。都市内道路網については、都市計画の考え⽅に沿って、市街化区域内の主要幹線街路から整備が進む。なお、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの実現を推進する⽴地適正化計画で位置づけられる都市機能誘導区域や居住誘導区域においては、それらの地区の都市計画上の位置付けに配慮し、より優先的に整備が進む。こうした考え⽅により、⾃動運転の導⼊領域の整備が計画的に進んでいく。 この他、中⼭間地等において住⺠の移動⼿段確保のために⾃動運転が必要となる場合も、優先的に整備が進む。 ⺠間事業者が整備する場合も想定されるが、その考え⽅はビジネスとして成⽴するかどうかにより投資の判断がなされる。 (3)⾃動運転⾞の想定vi) ⾃動運転⾞は、個⼈が所有する⾃家⽤乗⽤⾞(プライベートカー)と、企業が保有する公共交通やシェアリング等の営業⽤に使⽤される⾞(サービスカー)の2種類の形態で保有される。乗⾞⼈数が少ない⼩型のものから、バスのような⼤型のものまで存在する。また、⼈の輸送だけでなく、物流や⼩売、診療等の様々な都市的サービスを提供するための⾞両も登場する。 ⾃動運転⾞の安全性を担保するために、⾃動運転⾞に求められる安全基準(センサー系機器の保守点検基準など)が厳格に定められる。ソフトウェアの更新等は、OTA(Over the Air:無線ネットワークを介した通信)で⾏われる。 (4)⾮⾃動運転⾞との混在 現在もクラシックカー愛好家がいるように、⾃動運転普及後にも、⾮⾃動運転⾞を愛好する⼈は存在する。ただし、⾃動運転⾞と⾮⾃動運転⾞の調和が上⼿く取れずに、交通事故などの様々な問題が解消されることがなければ、問題を是正するための規制がかかる。(例えば、⾞々間通信による協調⾛⾏機能vii)の搭載を必須とするなど。)そうした基準を満たさない⾞両は、現在の環境基準不適合⾞の扱いと同様に、公道での使⽤が認められない。 vi 第Ⅱ編2-2、2-3、5-3参照 vii 第Ⅱ編6-2参照

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