自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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85(2)運転⼿不⾜に対する⾃動運転の期待 ⾃動運転が実現すると、Lv4やLv5の⾃動運転であれば運転⼿が不要になることで、⾃動運転⾞両を増やすことによって、運転⼿不⾜は解消に向かう。運転をシステムが担うことで、乗務員の役割を運転から利⽤者サービスにシフトさせることも期待できる。例えば、乗降時の介助や乗客とのコミュニケーションの増加も期待できる。 また、Lv2やLv3の⾃動運転でも、運転⽀援による安全性の向上や運転負荷の低減が期待でき、労務環境の改善が期待できる。さらに、バスやタクシーの運転⼿に必要とされている第2種免許の要件緩和につながる可能性もある。その結果、運転⼿として採⽤できる⼈の幅が広がり、求職者が増えることも期待できる。 冨尾ら78)は、運輸事業関係者を対象に⾃動運転システムに対する賛否意識を調査した結果、Lv4については安全性の向上に対する期待の反⾯、事業縮⼩、ドライバーの失職、法整備当の課題や懸念する意⾒を持っていることを確認している。また、当研究所が⾏ったタクシー事業者に対するヒアリングの結果79)からは、運転⼿不⾜の問題の深刻さに対して事業者は重⼤な懸念を持っていることを確認している。 ⾃動運転の導⼊により運転⼿不⾜の問題を緩和することに対する期待は⼤きいことが確認された。 78) 冨尾祐作・⾕⼝綾⼦・Marcus Enoch・Petros Ieromonachou・森川⾼⾏: 運輸事業関係者の⾃動運転システムに対する賛否意識-⾃動運転のレベルに着⽬して, ⼟⽊計画学研究・講演集, Vol. 55, 2017. 79) 公益財団法⼈豊⽥都市交通研究所, 研究調査報告書 2017-④ 豊⽥市におけるタクシーを活⽤した外出⽀援策に関する研究 報告書, 2017.

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