自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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83どのようなサイズ(乗⾞⼈員)の⾃動運転⾞が中⼼に普及するかは、現時点では想定できない。仮に、現在の乗⽤⾞のようなサイズ(4〜5⼈乗り)で、利⽤され⽅(多くが⼀⼈乗り)が変わらないままに、総⾛⾏台キロのみが増加すると、道路が混雑することは避けられないだろう。図Ⅱ-4-5の写真をみても、⾃動⾞の専有⾯積の⼤きさが⼀⽬でわかる。⾃動運転⾞の供給を野放しにすると、先進技術による⾛⾏効率化の効果を上回る混雑が発⽣する可能性がある。 図Ⅱ-4-5 乗⽤⾞、バス、トラム、⾃転⾞、⼈の専有⾯積の⽐較72) ⾃動運転によるものではないが、ライドシェアサービスの普及が渋滞を悪化させているとの報道もある。⽶国サンフランシスコでは、認可されているタクシーの数は1,800台に対し、ライドシェアサービスに登録されている台数は45,000台と⾔われている。渋滞の問題だけでなく、近距離の地下鉄利⽤が減少しているという73)。 また、ロサンゼルス空港内の道路はUberとLyftのマークが付いた乗⽤⾞ですし詰め状態であり、空港から出るだけで1時間以上かかったとの報告もある74)。 こうした問題は、⾃動運転が普及することでより悪化することも懸念される。そのため、⾃動運転⾞の利⽤需要の適切なコントロールの必要性や、⾞両サイズの⼯夫の必要性が⽰唆される。 72) 公益財団法⼈とやま環境財団HP エコライフ撮影会実施結果, 2008. 73) ⽇経テクノロジーon line(2017.7.11): 激化するサンフランシスコ市内の渋滞、原因はUberやLyft?, 2017. 74) ⽇本経済新聞記事(2017.8.19): 公共交通ライドシェア、渋滞の原因にも フォードが参⼊, 2017.

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