自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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80第10次交通安全基本計画(2016)では、「平成32年(2020年)までに交通事故死者数を2,500⼈以下とし、世界⼀安全な道路交通を実現する」3)ことを⽬標としており、より⼀層の安全な道路交通環境の実現が求められている。 (2)道路交通事故に対する⾃動運転の期待 交通安全の実現は、⽇本政府4)、NACTOエラー! ブックマークが定義されていません。)、Waymo64)などにより⾃動運転の開発や導⼊の狙いの最優先事項に位置付けられている。 交通事故が発⽣する要因は⼤きく分類して、⼈的要因、環境的要因、⾞両的要因の3種類がある。⽶国では、NHTSAの調査では2005年から2007年の交通事故のうち94%が⼈的要因によるものと報告されている65)。また、少し古いがUSDOT(U.S. Depertment of Transportation)およびNHTSAの調査(1979)66)では、92.6%が⼈的要因によるものとされている。我が国においても、ITARDAのデータ67)によると、2015年の⾞両事故(51万件)のうち⼈的要因がないとされる事故は0件である。つまり、全ての⾞両事故で何らかの⼈的要因が関係している。 このように、交通事故の多くが⼈的な要因によるものであり、その内容も安全不確認、前⽅不注意、操作不適などの割合が⼤部分を占める。こうした⼈的要因による事故が⾃動運転技術によって抑制できるならば、⼤きな事故削減効果が期待できる。 表 Ⅱ-4-1 交通事故の主要要因(⼈的・⾞両的・環境的)別構成⽐65) 64) WAYMO: Waymo Safety Report – On the Road to Fully Self-Driving, 2017. 65) NHTHA (National Highway Traffic Safety Administration): Critical Reasons for Crashes Investigated in the National Motor Vehicle Crash Causation Survey, Feb. 2015. 66) J.R. Treat, et al.: Tri-level study of the causes of traffic accidents final report, USDOT, NHTSA, 1979. 67) 公益財団法⼈交通事故総合分析センター 交通事故統計表データ: ⼈的要因別・事故類型別 事故件数(1当)-⾞両(2015年).
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