自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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2 はじめに ⾃動運転は様々な⾯で社会問題を解決することが期待されているi)。⼀⽅で、⾃動⾞がそうであったように、正の効果だけでなく負の効果をもたらす可能性もある。⾃動運転が導⼊された際に、負の効果を抑制し、正の効果をできるだけ⼤きくするためには、そのための準備が求められる。 我が国では、2020年のサービス実現に向けて様々な取り組みが進められている。平成29年度は、内閣府、経済産業省、国⼟交通省などの国レベルの実証実験が本格的に始まり、⾃治体においても愛知県が2年⽬となる実証実験を⾏った。法律や制度等に関する検討も始まっているが、緒についたばかりの状況である。とりわけ、⾃動運転と都市交通の関係についての本格的な検討は、特に我が国においてはこれからの段階である。 本ビジョンは、⾃動運転が社会に導⼊された際の都市交通の姿を描く。その中で、⾃動運転による正の効果を⼤きくし、負の効果を抑制するために留意すべき点や求められる対応策等についても⾔及する。⾃動運転が普及した社会が到来するまでの間、社会は様々な選択や決断をしていくことになる。無数にある選択肢の中から望ましいものを選択し、実⾏を決断する際に、著者らが⽬指すべきと考える⾃動運転導⼊時の都市交通の姿を⽰すとともに、それを実現するために求められる対応を提⽰する。 本ビジョンでは、⾃動運転が社会に導⼊された状態として2つの時点を想定する。1つは⾃動運転が広く普及し社会に浸透した状態の姿、もう1つは⾃動運転が普及し始めた状態の姿である。こうすることで、⾃動運転が普及するプロセスや、各段階において必要になる対応を⽰す。 本ビジョンで描く姿は、⼤部分が既往の研究成果や⽂献ならびに報道発表等に基づいて検討されたものである。ビジョンに⽰した内容の背景や根拠については、第Ⅱ編に整理しているのであわせて参照されたい。 ここに描いたビジョンが、今後の⾃動運転の導⼊に向けた検討の参考になれば、望外の喜びである。 i 第Ⅱ編4-2参照

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