自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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452-3.将来像の調査や研究事例 ここでは、⾃動運転が普及した姿について発表された様々な調査や研究事例について、各種書籍14,15,16,17,18)で紹介されている内容を整理する。整理項⽬は、概要、想定する導⼊年次・普及プロセス、想定する導⼊技術、社会受容性の考え⽅や知⾒、ビジネスモデル、将来のモビリティ社会像とした。その概要を下に⽰す。また、内容を整理した詳細を次ページ以降に⽰す。 • 将来像が描かれている想定年次は、2025〜2030年 • ⾃動運転のレベルは、レベル4以上を想定するのが5件中4件、1件は、各レベルの状況に⾔及している • ⾃動運転⾞の使われ⽅として、シェアリング中⼼を想定するのが2件、公共交通機関を想定しているのが1件、複数シナリオを描くのが1件、明確な⾔及がないのが1件 • 5件中3件が運賃収⼊ではなく広告収⼊で成⽴するビジネスモデルを想定している • 広告収⼊:Google社の特許取得状況から推察される。IT分野で閲覧や利⽤、購買毎に広告料が⽀払われる仕組みをモビリティ分野に導⼊ • 普及プロセスは、限定領域やローカルエリアから始まる想定と、都市部から始まる想定の2通り。後者は、シェアリングを強く意識した想定 • ⾃動運転⾞(シェアリングサービスも含めて)の普及を推進するのはコスト削減要求 • 政府・⾏政の役割が重要であるとの指摘も(例:計画策定、規制緩和、普及促進) • ⾃動運転⾞と従来乗⽤⾞の混在を前提とした想定は少ない(⾃動運転の完全普及を想定か、完全分離あるいは最⼩限混在を想定) • ⾃動運転が普及した状態の都市の姿を想定した⽂献は少ない • 本研究で考えようとする、⾼速バス&フィーダー交通、あるいは、都市間-都市内などのインターモーダルな想定をしているものはない(公共交通との連携はみられる) • 社会受容性をいかにして醸成するかというアプローチはみられない 14) The Boston Consulting Group: Self-Driving Vehicles, Robo-Taxis, and the Urban Mobility Revolution, 2016. 15) デロイトトーマツコンサルティング:モビリティ⾰命2030,⽇経BP社,2016. 16) ホッド・リプソン、メルバ・カーマン(⼭⽥美明訳):DRIVERLESS⾰命,⽇経BP社,2017. 17) James Arbib &Tony Seba:"Rethink X Disruption, Implications and Choices",2017. 18) 井熊均・井上岳⼀:「⾃動運転」ビジネス勝利の法則,⽇刊⼯業新聞社,2017.

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