自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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264.⾃動運転普及に向けた課題 ⾃動運転が普及するためには、解決すべき課題が⼭積している。ここでは主に都市交通の観点から⽇本を対象とした課題に焦点をあてて整理する。 4-1.法律・制度・ルール等の整備 ⾃動運転を実現する重要な問題である完全な無⼈の⾃動運転が許されるよう、ジュネーブ条約や国内の道路交通法等の改正や解釈の⾒直しを⾏う必要があるxxiv)。また、⾃動運転システムによる運転が、⼈の運転する⾞両と混在する際に円滑に⾛⾏できるよう、道路交通法に関する様々な規定を⾒直すことが求められる。 情報の⾯からは、MaaSを実現するために不可⽋となる、様々な主体が保有するデータをどのように運⽤するのか、検討することが求められる。加えて、輸送にかかる運賃の柔軟な運⽤や、不採算地域への利益移転などの可能性についても検討が求められる。 ⾃動運転⾞として、⼤きさや性能、機能などにおいて多様な種類の⾞両が提案された場合に、必要に応じて道路環境のあり⽅も⾒直しつつ、より利便性の⾼い⾞両が利⽤可能な安全基準等を整備することが求められる。 4-2.都市のあり⽅の議論 本ビジョンでは、⾃動運転の普及によりコンパクトシティの形成に資することを描いた。⼀⽅で、⾃動運転の普及が居住地選択の⾃由度を⾼めることで郊外化を促進するとの意⾒もある。仮に後者の意⾒が正しいとするなら、現在の都市計画の⽅向性を鑑み、適切な⽅向に誘導するための⼿を打つことが求められる。 ⾃動運転の導⼊がきっかけとなって、都市のあり⽅に関する社会全体での議論が⾏われるなら、より望ましい姿が実現するのではないだろうか。 4-3.社会受容性の醸成 2018年3⽉18⽇22時(⽇本時間19⽇午後)、⽶国アリゾナ州で⾃動運転⾞が歩⾏者をはねて死亡させる事故が発⽣した。同年同⽉の報告書執筆段階においては、本件に関して冷静な報道がなされている。 今後、我が国においても、⾃動運転の試験的な導⼊が⾏われる過程で⼤⼩様々な事故が起こる可能性はゼロではない。その際に、社会受容性が損なわれることのないよう、適切な情報公開、原因究明、対応策の実施が求められる。 4-4.標準化・協調 ⾃動運転を⾏うためのインフラや、路⾞間や⾞⾞間の通信⽅法は、規格化して多くの⾞ xxiv 第Ⅱ編3-1-6参照

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