自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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141-5.⾃動運転の普及によりもたらされる効果 ⾃動運転の普及により以下のような効果が期待できるxxi)。 (1)交通事故が⼤幅に減少 交通事故の発⽣要因である⼈的要因、環境的要因、⾞両的要因のうち、9割以上の交通事故が⼈的要因に起因すると報告されている。⾃動運転⾞はシステムが運転を担うことで、⼈的要因による事故を⼤幅に抑制する事ができる。 ⾃動⾞の⼤部分が⾃動運転⾞となることで⼈間の運転による操作ミスや不注意等による事故が⼤きく減少することで、交通事故が劇的に⼤幅に減少する。 ただし、⾃動運転の誤作動等による新たな交通事故が発⽣する恐れもあることから、安全に関わる技術開発の努⼒は続けられる。 (2)交通渋滞が⼤幅に減少し環境負荷も減少 渋滞は、道路の交通容量を上回る交通量(需要)が流⼊した場合のほか、地形的要因(勾配やカーブ)や運転⽅法(不適切な⾞間距離や加減速)等によって⽣じる。 ⾃動運転により機械が運転するようになることで、⾞間距離の緊密化や隊列⾛⾏による容量拡⼤、地形に応じた速度制御、協調⾛⾏による統制の取れた⾛⾏が実現し、交通渋滞ならびに環境負荷が減少する。 (3)運転⼿不⾜の解消 旅客輸送と貨物輸送のいずれにおいても⾃動運転の活⽤が浸透し、運転⼿が不⾜する状況は解消する。また、⾃動運転⾞の運⾏を監視する役割は、⼈⼯知能(AI)技術の発達により僅かな⼈⼿で⾏うことができるようになる。 ⼀⽅、運転や監視以外の、おもてなしや介助等、⼈と⼈のコミュニケーションが求められるような場⾯においては、⼈(介助員、添乗員等)によるサービスが今よりも厚く⾏われるようになる。 (4)移動⼿段の確保 運⾏コストの低廉化、運転⼿不⾜の解消、需要と供給の偏在を是正する様々な施策の導⼊により、過疎地等の⽣活交通の確保が容易になる。 (5)まちのにぎわいの創出 まちなかの駐⾞場が減少することや道路空間が再配分され、⼈間中⼼の空間が増えることで都市内の活動が活発化し、まちのにぎわいが創出される。 xxi 第Ⅱ編4-2参照

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