自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
14/128

101-3.都市・地域の姿 (1)コンパクトシティ・プラス・ネットワークに資する⾃動運転 先に記述したように、都市内では都市計画の考え⽅、中でも⽴地適正化計画における都市機能誘導区域や居住誘導区域を念頭に置いた⾃動運転の導⼊が進められる。 すなわち、MaaS等の普及・浸透により多⾯的なサービスを提供するためには、モビリティサービス単体のコストよりも多くのコストがかかる。そのため、MaaSの多⾯的なサービスの提供エリアは、多くの需要を⾒込むことができる都市部が中⼼になる。サービス提供エリアは、都市計画の考え⽅を踏まえて決定される。優先度の⾼い⽅から、都市機能誘導区域、居住誘導区域、市街化区域、市街化調整区域の順に、サービス提供エリアが拡⼤していく。 MaaSによる多⾯的なサービスの提供範囲に含まれる地域の魅⼒が⾼まり、⼈⼝の都⼼回帰が進む。モータリゼーションにより郊外化が進展したのとは逆の流れが起こる。 (2)⾃動⾞がなくても移動に不⾃由しない ⼀⽅地⽅部においては、⾼い⽔準の多⾯的なサービスを提供するには需要が⼩さいため、限定的なサービスにとどまる。しかし、移動⼿段を確保するための最低限度のサービスは維持される。サービスの維持のために、前節の1-2-1.(3)で⽰したような料⾦制度が執られる。 少なくともコンパクトシティ・プラス・ネットワークの概念で⽰されている「⼩さな拠点」周辺地域においては、移動⼿段は確保される。これにより、運転免許を持たず、⾃家⽤の⾃動運転⾞を持たない⼈でも、移動に不⾃由しない⽣活を送ることができる。 (3)都市内の駐⾞場⽤地が⽤途転換し有効活⽤される ⾃動運転⾞による⾃動配回送により、都市内の駐⾞場は⼤きく減少するxvi)。これまで駐⾞場として利⽤されていた場所は、⼩規模なものはポケットパークに、⼤規模なものは店舗や都市公園等として活⽤される。ただし、将来においてはより有効な活⽤⽅法が⾒つかるかもしれない。 (4)⾃動運転⾞のステーションや⾞両基地が整備される ⼀⽅で、シェリング⽤⾃動運転⾞(SAV)のステーション(都市内の未利⽤地)や、⾞両基地(郊外)に整備される。特に⼤都市でサービスされるSAVは⾞両数が多くなると想定される。そのため⾞両基地の規模も⼤きくなると想定されるxvii)。⼤規模な⾞両基地では、屋上や壁⾯を活⽤した太陽光発電システムが導⼊され、⾃動運転⾞の動⼒となる電気の⼀部を賄っている。 xvi 第Ⅱ編2-2-9参照 xvii 第Ⅱ編4-1-5.(2)参照

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る