自動運転普及がもたらす都市交通への影響研究
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105者不⾜が懸念されるため、2013年度から開発に着⼿していた。準天頂衛星みちびきの情報と⾼精度地図情報を組合せ、誤差数cmの正確さで⾃⾞位置を把握し、その情報を運転席のモニターに表⽰する。2021年度をめどに操作や運転の⼀部の⾃動化を⽬指しており、将来的にはオペレータなしの完全⾃動化を⽬指している。 (5)まとめ 以上、⾃動運転の実⽤化事例を僅かな事例ではあるが概観した。活⽤場⾯は産業分野に限定されており、⼀部を除いて公道ではない限定領域における活⽤であった。そして、実⽤化のきっかけはいずれも⼈材不⾜への対応であった。 鉱⼭における事例では、無⼈⾞両と有⼈⾞両が混在する環境下での配慮がなされており、この事例は今後の道路交通への⾃動運転の実⽤化に向けても参考になる可能性がある。 6-2.⾃動運転⾞と⼀般⾞の混在に関する検討状況 AVsとNVsが混在する状態における検討が様々な国で進められている。 例えば交通流に関する検討では、シミュレーションを⽤いた検討がなされている。⽶国では、⾼速道路におけるACCとCACCの混⼊率の違いによる燃費の変化について検討されている110)。 ACCについては交通量の増加や混⼊率の上昇につれて燃費が悪化するが、CACCでは交通量が増加しても燃費の悪化は抑制され、混⼊率が⾼くなるほど燃費悪化は抑制される結果が得られている。 CACCは⾃動運転ではない。ここで⾔いたいのは、⾃動運転の効果は⾞々間や路⾞間の通信によって⾞両同⼠が協調(ConnectedあるいはCooperation)することの重要性である。⾃動運転であっても、他者と協調しないと円滑な交通流の妨げになる可能性もある⼀⽅、Lv2やLv3でもCACCの機能があれば円滑な交通流の実現に寄与する可能性がある。 図Ⅱ-6-1 CACCとACCの混⼊率の違いによる燃費の変化110) 110) Steven E. Shladover: Assessing the Traffic and Energy Impacts of Connected and Automated Vehicles (CAVs), SIP-adus Workshop 2017 Impact Assessment-1 presentation material, 2017.

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