高齢運転者の増加を考慮した安全・安心なモビリティ実現を目指した研究
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56 表 5-3 実走行実験検討における概要 項目 内容 実施日 1回目:2017/12/22(金)、2回目:2018/1/30(火) 使用車種 2台: プリウス(初度登録 H28年4月:セーフティサポートP:歩行者衝突対応) アクア(初度登録 H29年11月:セーフティサポートC:歩行者衝突未対応) 検討項目 被害軽減ブレーキの作動状況及び安全性(対車両、対歩行者) 図 5-7 用意した衝突回避対象物(2017/12/22実施分) 5-3-2.結果 検討は2017/12/22と2018/1/30の2回実施した。1回目の2017/12/22の検討では、図5-7に示すダンボールで工作した2種類の衝突回避対象物を用意し、20~30km/hの低速でADAS搭載車両を接近させた。結果、車両、歩行者の対象物ともに衝突回避ブレーキが全く機能しなかった。この原因について、メーカーに問い合わせたところ、当該車両の衝突回避ブレーキは「車両」や「歩行者」の画像を認識し、作動させていることが判明した。そのため、2回目の2018/1/30の実験では、図5-8に示すように、車両の後方であることがわかるよう車両後方の画像を印刷した用紙をダンボール工作物に貼り付けるといった対応を行った。結果、衝突回避ブレーキが作動する場合もあったが、作動しない場合もあるという、作動状況がまちまちというものであった。この原因として、西日の強くなりだした夕刻時間帯以降、成功率が大きく低下したことから、車両の後方画像を紙で用意したことで、光の反射の具合などで検知器の作動に不都合を生じさせ、認識を誤らせた可能性が示唆された。 本検討では、実走行実験における被害軽減ブレーキの作動状況及び安全性について確認したが、今回用いたような簡易な模擬被対象物では、適正に機能が作動しないことがわかった。 車両歩行者

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