高齢運転者の増加を考慮した安全・安心なモビリティ実現を目指した研究
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34 3-3.ADAS装着を契機とするスバル車の事故率の変化傾向 ADAS普及による効果予測は、国土交通省2)をはじめ様々な検証がなされているが、ADASの搭載状況と高齢運転者の交通事故の発生に関する統計資料は現時点公表されておらず、直接的に事故削減効果を把握することは困難である。そこでここでは、早期よりADASを搭載したスバル車に着眼し、本格普及の開始前の2008年から販売台数当たりの事故件数による事故率の変化について分析する。 3-3-1.方法 スバルのADAS技術であるアイサイトは2011年以降のスバル車全車種搭載方針決定以降、高い搭載率を誇るようになっている。メーカー公表値によれば、表3-3に示すように2015年の販売台数のうち83%の車両が装着していたとされる。この値は図3-19に示す国土交通省が公表する同時期の我が国全体の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)の搭載率の16%と比較して極めて高い値である。この状況を踏まえ、軽自動車を除くスバル車全体の事故率の変遷を追うことで、ADAS(アイサイト)搭載率が高まっていく過程での事故抑止効果を捉えることができると考えた。 使用したデータは、表3-4に示す2012~2016年に発生した車両初度登録年ごとの事故件数(交通事故総合分析センター(ITARDA))と、車両販売台数(自動車工業会資料)である。具体的には、2008年以降、各年に登録車された車両の事故件数を分子に、同年の販売台数を分母とする事故率を算定し、スバル車の事故率の推移と、スバル車以外の国内登録車の事故率の推移を比較することとした。 表 3-3 アイサイト装着可能車種における装着率3)
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