高齢運転者の増加を考慮した安全・安心なモビリティ実現を目指した研究
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20 対して運転への不安を感じない場合、そこには「過剰な自信」が生じているとみなすとした。ここででは、老化により有意に低下する能力と、有意に運転への不安に関連する運転特性の関係性をみる。表2-11に老化及び運転への不安に影響する要因の関係性を示す。安全確認、視力、物忘れ自覚は、老化及び運転への不安両者に影響する項目であり、能力低下による不安を感じる過剰な自信が生じづらい項目であるといえる。他方、運転行動における二段階停止、視野、糖尿病、入院経験、運転頻度は老化により影響を受ける項目であるにもかかわらず、不安には影響しない項目である。このうち、特に一時停止のある交差点における二段階停止、視野の縮小は、老化により問題が生じるようになるにもかかわらず、これが運転への不安にはつながらない、いわゆる「過剰な自信」を表象する要因となっているといえる。なお、糖尿病、入院経験は自身の健康面の状態に関連する項目であり、老化には影響しつつも、運転能力そのものとの直接的結びつきが弱いことから、運転への不安には影響しない項目であると読み取れる。加えて、運転頻度も老化とともにその頻度が減少していくなど、安全側の傾向を示すものであり、運転への不安を和らげるような傾向であることから、影響が弱いものと推察できる。 表 2-9 過剰な自信と運転特性の関係性(順序ロジットモデル) ※N=233, AIC=428.17, 対数尤度=-197.07, 逸脱度=394.17 ※***:p<0.001, **:p<0.01, *:p<0.05 表 2-10 過剰な自信と運転特性の関係性のモデル的中率 回帰係数標準誤差t値判定オッズ比全く不安はない|不安はない-5.5501.770-3.135**-不安はない|不安-2.1741.731-1.256-不安|非常に不安2.6931.9751.364-信号の確認-1.5300.918-1.6670.217信号に従った運転0.9670.5231.8492.629安全確認-0.6710.298-2.251*0.511緩やかな進路変更-1.2060.833-1.4480.299アクセル反応時間-1.8910.711-2.661**0.151ブレーキ誤反応数-1.1990.435-2.755**0.301アクセル反応時間1.2670.7621.6633.549ブレーキ反応時間2.8311.1632.435*16.966視力(両眼)-0.8760.397-2.207*0.416夜間視力-0.0160.010-1.5620.984物忘れ自覚0.8580.2942.920**2.359性別-1.1220.312-3.594***0.326事故経験(自損含む)1.0770.3443.130**2.935運転頻度-0.1610.089-1.7980.852視力心身機能個人属性運転適性選択反応注意配分/複数作業定数項運転行動全く不安はない不安はない不安非常に不安全く不安はない9.7%87.1%3.2%0.0%不安はない1.5%82.7%15.8%0.0%不安0.0%67.6%32.4%0.0%非常に不安0.0%0.0%100.0%0.0%57.9%全体

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