高齢運転者の増加を考慮した安全・安心なモビリティ実現を目指した研究
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19 表 2-8 老化と運転特性の関係性(重回帰モデル) ※N=233, 修正済みR2=0.269 ※***:p<0.001, **:p<0.01, *:p<0.05 (2)過剰な自信と運転特性 モデルの構築にあたっては、上述のモデル同様、多重共線性の回避のため、説明変数間の相関係数が0.7を超えた「合図の有無」と「合図の時期」について、後者の「合図の時期」を削除した。また、モデルの信頼性を高めるため、ステップワイズによる変数選択を行った。 結果を表2-9に、本モデルの的中率を表2-10に示す。モデル全体の的中率は57.9%と精度は高くない。特に、「不安」を「不安でない」と推定するエラーが多い。ただし、ここではあくまでこのような過剰な自信を代替する心理的状態がどのような運転特性により影響をうけるかという観点から分析を進めるため、有意となった指標を中心にみることでこの結果からでも考察できるものと考える。 有意となった指標をみると、運転行動における安全確認、運転適性におけるブレーキ反応時間、視力、心身機能における物忘れ自覚、事故経験は、自身の当該状態の課題を認識している場合に不安が高まるといった順当な傾向を示している。また、個人属性における性別は、男性よりも女性において運転に対して不安を感じやすいことを示しており、男性が自信過剰傾向にあることが伺える。他方、アクセル反応時間、ブレーキ誤反応数は、値が小さくなるほど不安になるといった傾向にある。アクセル反応時間が小さいということは、自身の運転が不安であるから遠方の歩行者等に対しても過敏に反応してしまっている可能性がある。また、ブレーキ誤反応数が少ないということは、ブレーキ操作に対して相当に慎重になっている左証でもあり、それが自身の運転の不安と結びついていると読み取ることができよう。 さて、本研究では、上述のようにここでは能力低下があるにもかかわらず、その状態に回帰係数標準誤差t値P値判定85.3782.87329.7210.000***停止位置0.8400.5211.6130.108二段階停止-1.4870.563-2.6430.009**安全確認-1.8500.515-3.5910.000***アクセル反応時間2.0441.1151.8330.068無反応誤反応数-0.5240.296-1.7680.079注意配分/複数作業ハンドル操作の誤差率0.0030.0021.7380.084視力(両眼)-2.2530.662-3.4020.001***水平視野-0.0430.014-3.1790.002**転倒への不安0.9760.5671.7220.087物忘れ自覚1.2500.4982.5080.013*糖尿病(現在)1.5480.7512.0600.041*入院経験1.0390.4782.1760.031*運転への不安-0.6420.375-1.7130.088運転頻度-0.3960.156-2.5450.012*個人属性選択反応運転行動視力心身機能定数項運転適性

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