交通事故数予測モデルを踏まえた愛知県「三位一体」対策の提言
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8-8 愛知県において死亡事故の危険性が高い特徴的な事故の削減に幅広く寄与する自動ブレーキに代表されるASV(先進安全自動車)、ISA(高度速度制御)の開発・普及促進を一層進めるべきである。後付けでの安全運転支援技術を含め、メーカーの努力による一層の性能向上を期待することはもちろん、公的機関による開発補助、愛知県において特に多い高齢運転者等に対する購入補助の強化、性能評価結果の県民へのわかりやすい伝達を推進するべきである。 2.人の視点 愛知県において死亡事故の危険性が高い、最高速度違反、横断歩行者等妨害等違反、通行区分違反、優先通行妨害違反、ハンドル操作不適違反、交差点安全通行違反、一時停止違反について、特にその事故が多発する箇所・時間帯における交通取締りを強化するとともに、交通安全運動による全県的な立哨・啓発活動を推進するべきである。また、愛知県の死亡事故の多さを表象する地域特性をふまえ、「ウインカーの確実な点灯」、「思いやりのある運転」を交通安全運動の運動重点に設定することを検討すべきである。死亡事故につながりやすい高齢運転者の多い愛知県においては、特にきめ細やかな交通安全教育、実施体制づくりを推進していくべきである。 3.環境の視点 2.で指摘した事故の多発する地点等において、道路管理者は、主に幹線道路における減速・注意喚起対策、無電柱化、交差点のコンパクト化、常時録画式交差点カメラ設置、DSSS(安全運転支援システム)導入を、生活道路におけるハンプ・狭さくの設置、安全安心な歩行空間整備を推進するべきである。同様に交通管理者は、標識・路面標示の改良、信号機の新設・改良、歩車分離・歩行者先行現示信号の整備、速度違反自動取締装置の設置を推進するべきである。死亡事故の危険性が高いその他横断事故が多発する箇所においては、空間特性に応じて道路・交通管理者の協議のもと道路中央に交通島を設ける二段階横断の検討可能性を模索するべきである。高齢運転者の多い愛知県においては、道路・交通管理者の協議のもと公共交通の確保、充実に向けた支援や、高齢者マークの活用、サポカー(安全運転サポート車)のみ限定で運転できる免許制度の導入検討を推進するべきである。 以上

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