交通事故数予測モデルを踏まえた愛知県「三位一体」対策の提言
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8-5 表 8-4 交通死亡事故削減に向けて交通取締り・交通安全運動を実施検討すべき地点 (危険事故指数の高い事故の多発箇所) 8-3.環境の視点 環境の視点からは、危険事故指数の大きい事故、死亡事故と関連が強い社会指標それぞれで取り上げられたものについて、詳細に提言している。提言した対策の多くは第10次愛知県交通安全計画に掲載されているものであるので、計画に従い、当該対策を優先的に推進していくことで、交通死亡事故の削減に寄与していくものと考える。 他方で、本提言においては、計画に記載のない2つの対策を提言している。一つは歩行者先行現示(Leading Pedestrian Interval)である。本対策は、第一当事者歩行者妨害違反事故において効果が期待できる対策である。歩行者側の青現示を先出しすることで、右左折車両からの歩行者の視認性を高め、横断歩道での事故を低減させるもので、海外では本現示を導入した交差点において60%の事故削減効果があったといった報告がある※1。愛知県では歩車分離信号の導入を推進しているが、歩行者現示分のサイクル長の延伸が必要であることから、場合によって待ち時間の増加が生じることになる。本対策においても歩行者に対する先行現示分信号サイクルが延伸することになるが、歩車分離信号と比べてその増加分が少なく済む場合も予想される。効果等について慎重に見定める必要はあるが、場所によっては導入効果が期待できる箇所もあるだろう。 また、いまひとつは、高齢運転者向けのサポカー限定免許に関するものである。先の車の視点の整理のとおり、サポカーに代表されるASVの普及推進は効果が期待できるもので

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