豊田市TDM施策を評価する簡便な指標の研究
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3 2.既往研究の調査路線バスは自家用車、タクシー等に比べ、毎日、同区間を同時刻に走行する特性がある。また、近年は利用者へのサービスとして多くの路線バス会社がバス停到着時刻を示すバスロケーションシステムを導入し、時刻と位置(経度、緯度)のデータを蓄積している。路線バスをプローブとした道路交通状況の指標の研究は2006年頃から行われているが、最近の研究について言及する。最所ら(3)は一般車両とバスの挙動の違いであるバス停停車・乗降に着目し、バス停前後の減速・停車・加速による旅行速度を補正する方法を開発した。藤ら(4)はバスプローブデータがVICS渋滞情報生成(渋滞、混雑の判定)に活用できるか否かを交通シミュレーション(VISSIM)により検討し、一定の予測精度を有する渋滞判定アルゴリズムを提案した。西田ら(5)は汎用スマートフォンを利用したバスロケーションシステムを開発し、バス位置情報だけでなく1秒ごとのバス走行速度、即ち道路交通状況を地図上に表示した(図1)。図1. 西田ら(5)によるバス走行速度表示(赤いところが低速)(3)一般車データとの高精度統合が可能なバスプローブデータの収集・加工システムの開発 (トラフィックプラス 最所、財津、南部ほか、第31回交通工学研究発表会、2011)(4)バスプローブデータを活用した渋滞情報の生成に関する研究 (福岡大 藤、辰巳、松井、吉城、堤、第35回交通工学研究発表会、2015)(5)みんなが使える低コストのバスロケーションシステムで公共交通の利用促進 (社会システム総研 西田、浅尾ほか、土木計画学研究講演集、2015)

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